元手10万円で100億円の売上をつくった事業のコピペ術――フランチャイズ本部のつくり方

発刊
2019年11月1日
ページ数
182ページ
読了目安
174分
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推薦者

フランチャイズビジネスのつくりかた
豆腐の移動販売事業をフランチャイズ化して、売上100億円の企業にした著者が、フランチャイズビジネスのつくり方を解説している一冊。中小企業でも個人事業主でも、フランチャイズビジネスは簡単につくることができ、事業を拡大するための1つの手段だと説きます。

事業のコピペとは

フランチャイズ本部の運営は、特別な才能、運がなくても、事業を拡大させることのできる手段である。既に起業している人であれば、その半数以上の人は、フランチャイズ本部の運営により事業を拡大できる可能性が高い。

「事業のコピペ(コピー&ペースト)」とは、まずは黒字の事業を創出し、フランチャイズ本部を構築してマニュアルやユニホームなど統一できるものを統一していき、見た目にはどれも同じ店舗(=加盟店)を増やしていくことを意味する。

フランチャイズ本部で売るものは、モノやサービスではない。売るのは「ビジネスの仕組み」である。ビジネスの仕組みを買いたい加盟店オーナーと契約を結ぶたびに、営業所が1つ開設されていく。そして会社の事業規模も大きくなっていく。

フランチャイズ化しやすい事業の条件

「フランチャイズ本部は大企業でなければできないだろう」というのは誤解である。資金の少ない中小企業や個人事業主でもフランチャイズ本部はつくれる。1人でも可能である。豊富な知識やノウハウがなくても、やるべきことを1つ1つ積み重ねていけば、フランチャイズ本部は完成する。

事業をコピペするには、まずは自分の手がける事業を黒字化させる必要がある。それも、自分以外の誰かが代わりにやっても黒字になるようにしなければならない。フランチャイズ化しやすい事業には次の条件がある。

①個人の能力やキャラで成り立っていない
人に頼る部分が少なく、作業が平準化されていないと、商品やサービスに差が出てしまう。

②世間に周知された商品・サービスである
一般的ではないものは、多店舗展開する場合、認知させるのにコストがかかる。

③大手企業と差別化できる商品・サービスである
同等の商品、サービスであれば、消費者は価格が安く、信頼もできる大手のものを選ぶ。

④在庫をなるべく持たない
在庫を抱えると、保管コストがかかる上、店舗が増えれば増えるほど本部のフランが大きくなる。

⑥粗利率が高い
粗利益が少ないと、様々な経費を払っていった時に赤字になる。

⑦加盟店オーナーの開業資金は500万円以下に収まる
会社員として働いている人が、会社を辞めて加盟店オーナーとして起業することを想定した場合、500万円以上はハードルが高い。

⑧キャッシュフローがいい
キャッシュフローが悪くなりやすい事業ほど、大きな資本が必要になり、フランチャイズ化が難しい。

⑨商品を安定供給できる
商品を安定供給できなければ、多店舗展開は難しい。

誰でも黒字にできる事業をつくる

フランチャイズ本部運営を考えている起業家が最初に目標とすべきは、事業のコピー元となる店舗を自分で経営して、黒字化することである。さらに将来的にそのビジネスの仕組みをパッケージ化して売れるように、統一されたノウハウやマニュアル、ロゴ、ユニホームなどを作っておく必要がある。

実際に事業を始めたら、必ず予算表を作る。エクセルシートで「売上」「粗利」「経費」「営業利益」の4つがあれば状況をつかめる。予算を決めたら、その目標に向かって動く。大事なのは、予算と実績の差を縮めていくこと。予算と実績が大きく離れれば、なぜ売上が多かったのか少なかったのかを考えないといけない。

フランチャイズ本部をつくる

フランチャイズ本部として最初に行う作業は、加盟店オーナーとの間で交わされるフランチャイズ契約書づくりである。最大の目的は、トラブルを起こさないようにするため。フランチャイズの店舗に対しては、本部から縛るものを明確にしておかなければならない。