9割の負け組から脱出する投資の思考法

発刊
2013年6月21日
ページ数
256ページ
読了目安
294分
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正しい投資判断を行うためのコツ
人気ストラテジストが、株式投資の入門書に書かれていないプロの技を伝授。相場の予想ではなく、投資のロジックを組み立てて、実行に移す事の大切さを説く。

予想に至るロジックが大切

相場に限らず、世の中は不確実性に満ち溢れている。従って予想というものは当たったり外れたりするものだ。だから単に予想の当たり外れを云々するのではなく、その結論に至るまでの思考の道筋、すなわち「ロジック(論理)」の立て方が重要になってくる。

 

バブルは繰り返される

バブル崩壊や金融危機というものは何度も繰り返されるものである。リーマン危機は「100年に一度の危機」などと言われたが、ざっくり言って10年に一度は危機が訪れる。小さい波まで数えれば5年に一度、ショックがくる。相場とはそういう5〜10年単位の大きな衝撃をいかに乗り越えていくか、その対処で成否が決まる。

株式投資に最も縁遠い人たちが相場の話をし始めたら、そろそろバブルも過熱していると思った方が良い。日頃はファッションやグルメにしか興味がない女子大生や若いOLたちが『Can Cam』ではなく『ダイヤモンドZAi』を読み始めたら、そろそろ危ないと思った方がよい。

 

大局観を持て

短期的な株価変動はノイズの部分が大きく当てられないが、長期の予測もまた難しい。予想する期間が長くなればなるほど不確実な要素が多く入り込むからである。投資においては大局観を持つ事が重要である。金融市場はどういう流れで動いてきて、これからどういう方向に進もうとしているのか、その大きな流れをつかむ事だ。ピンポイントで1年、2年先がどうなるかわからないが、おおよその「当たり」をつける事である。トレンドさえ見失わなければいい。

 

小型&割安株を狙え

投資家の多くが日夜、ファンダメンタルズは良好なのに株価が安値に放置されている、真の割安銘柄を探している。そんなオイシイ銘柄は、多くの投資家がウォッチしている主力大型株マーケットにはそうそう残されていない。一方、小型株マーケットには、非効率性が残されている。時価総額が小さく流動性の観点から機関投資家の投資対象になりにくいため、アナリストのカバレッジが十分に行き渡らず、知名度が低く見過ごされやすいという特徴があるからだ。

但し、割安株投資は、過小評価が見直されてこそ陽の目を見る。見過ごされたままでは、「割安の罠」から抜け出せず、万年割安株のままだ。それでは、いつになっても儲からない。だからこそ、小型&割安株は、モメンタムの出ている銘柄、つまり株価に勢いがついてきた銘柄を狙う事が大切になる。儲かる銘柄を選ぶコツは「小型(低時価総額)+割安(低PBR)+モメンタム(株価上昇率)」だ。

 

小さく賭けろ

投資において何より大事な事は「大負けしないこと」である。長期投資とは同じ銘柄をひたすら長く保有し続ける事ではない。長期間、運用し続ける事である。そのためには一度の失敗ですべての投資資金を失ってしまう事を避ける事が大前提となる。

相場の底値は買えないし、高値は売れない。だからこそ、取引のタイミングを何回かに分散させるのだ。下げ相場で何回かに分けて買いを行えば、大底では買えなくても、結果として「底値圏」で投資できる可能性が高い。間違う事、損する事を覚悟して細かく投資する事が大切だ。最終結果はそれほど大きな利益にはつながらないが、投資とはそういうものだ。欲張ってはいけない。

 

こまめな利益確定が肝要

株式投資では「売ること」が非常に重要だ。どうすれば、売り急ぐリスクを軽減しながら、できるだけ利益を引っ張る事ができるか。絶対的な目安がある訳ではないため、自分なりのルールを決めておく事が必要である。利食いと損切りの値幅の比率は3対1。利食い目標に到達した場合、そこから2割下がったら利益を確定するといったルールを設定すれば、上げ相場から早く降りてしまうのを避ける事もできる。