誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命

発刊
2020年12月10日
ページ数
300ページ
読了目安
355分
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人を動かすための大前提とは
人を動かすリーダーシップを獲得するためにはどうすればいいのか。リーダーに共通する特徴を解説しながら、リーダーシップの前提となる要件を示し、その獲得方法を紹介している一冊。

ビジネスパーソンの3つの属性

ビジネスパーソンは能力の特徴によって大きく3つの属性に分類できる。

 

①T型(Thinking):思考力を強みとする人

②C型(Communication):伝える力や人々と繋がる力を強みとする人

③L型(Leadership):人々を統率して動かす力を強みとする人

 

多くの人は、どれか1つに特徴が偏る。生れながらのリーダーに思える人は、最も希少なL属性の人である。L属性の人は目的思考が強く、しかもその目的意識が常に1人の内側に留まらず、興味が自分の共同体やその外の世界へと拡がっている。
このタイプの人は、「やりたいこと」や「やるべきこと」が明確で、自分の中で閉じずにコミュニティーに対してやりたいことが発生し、現状がそのラインに達していないことに対して問題意識を強く持つ性質がある。まず例外なく何らかの欲求が人並み外れて強く、正義感が強く、他人や共同体に関心が強く、達すべき目的に対してそうなっていないことに「危機感」や「怒り」までが募るタイプの人である。

したがって、その「目的思考」から生み出される情緒的な衝動をエネルギーにして、何か変化を起こす際に背負うことになる個人的なリスクへの恐怖を容易に超えていける。個人的なリスクとは、人々に反対されるとか、言い出しっぺになると手間暇がかかって大変になるとか、失敗したり間違っていたら人々から責められるといったL属性の人でなければ普通は重たくて避けたくなるものである。

 

リーダーシップの獲得については、L属性の人が有利である。L属性の人は、周囲の状況や人々を自分の思い通りにしたいという「欲」がもともと強く、その多くが幼少期の原体験をきっかけにして「外向きの欲に従って素直に行動すると得をする」という成功体験を積み重ねてきた人である。

このL属性の人が辿るリーダーシップ経験を有利に積んでいく構造の要点をコピーすることで、T属性ならT属性なりの強みを活かしたリーダーシップのスタイルを、C属性ならばC属性ならではの強みを活かしたリーダーシップのスタイルを確立させることができる。

リーダーシップとはL属性の人だけが強く発揮するものではなく、本人が意識してその力を育成する過程にコミットする限りは、誰でも伸ばすことができる「後天的な技術」である。

 

T型とC型のリーダーシップ

T型リーダーに共通しているのは、Tの人特有の「慎重さの重力」を脱するのに十分な強い「欲」を持っていることである。T属性の人は、考えることが大好きで、行動するよりもまずは考える。自己保存本能が強く、ストレスを避けたい度合いも強く、そのためにあれこれ考える人が多い。失敗を過度に恐れるあまり行動力が極端に足りないというパターンは、Tの人の大半を占めている。

 

C属性の人は人と仲良くすることが大好きなので、そこに大きなリスクを抱える決断力はなかなか発揮されない。リーダーとしては、目的を達成するためには最も成功確率を高くするただ1つの選択肢を、情緒を切り離して冷徹に決断しなくてはならない時が少なからずある。その時に、自身の心の奥底から湧き上がり、差し迫ってくる重苦しい葛藤を乗り越えて、目的にとって純粋に正しい道を選べるか。

 

T属性とC属性の人が強力なリーダーシップを発揮するための鍵は、成し遂げたい「欲(≒夢)」を明瞭に意識することと、ストレスにメンタルを慣らす覚悟を固めることの2つである。「どうしてでも成し遂げたい目的」がどれだけ明瞭で強いか。つまり、「欲の強さ」はリーダーシップのデフォルト条件と言える。

 

欲が足りない人はどうすればいいのか

欲の足りない人(欲を明瞭に認識できない人)は、小さなことから「やってみたいこと」を設定するリハビリをすることで、自分なりの「欲」を見つけられるようになるトレーニングを継続すると良い。やってみたいこと、つまり「目的」があることが、リーダーシップの大前提になる。

 

どうしても実現したいと本気で思える目的が明確であることが「人を動かす力」の根源である。最初の一歩は、次の3つの条件を同時に満たす目的を見つけることである。

  1. 巻き込みたい人々にとっても魅力的であること
  2. 目的達成が1人の努力や工夫で何とかなるものではなく、集団としての能力を必要としていること
  3. 自身が本気になれること