ANAのVIP担当者に代々伝わる言いにくいことを言わずに相手を動かす魔法の伝え方

発刊
2016年7月11日
ページ数
188ページ
読了目安
170分
推薦ポイント 4P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

伝説のCAによる怒らせずに相手を動かす方法
ANAのVIP担当者として働き、伝説のCAと呼ばれている著者が、相手を不快にさせずに動かすためのコミュニケーション方法を紹介している一冊。
特に接客などのサービス業のコミュニケーション方法として使える技が書かれています。

言いにくいことを言わないことに解決策を見出す

注意も、指摘も、叱責もせずに、相手が思うように行動してくれる。これこそがANAのVIP担当に代々に伝わる「魔法の伝え方」である。

実は「言いにくいこと」を言ってしまうからこそ、相手は気持ち良く動いてくれない。解決策を「言いにくいこと」をいかに上手に伝えるかに見出すのではなく、「いかに言わずに、動いてもらうか」に見出す必要がある。

 

反対意見の人に、一言も言わずに主張を通す

反対意見の人の心を動かすには、別の意見をぶつけるのではなく、相手がその結論に至った経緯や理由を聞けばいい。その上で、そこにチューナーを合わせる対応をしていく。「正しい、正しくない」ではなく、相手の感情がどのように振れているのかに焦点を当てて、伴奏者になる。

相手を従わせるための「言いにくいこと」を言わずに、同じ気持ちになってお手伝いする。その方がお互いに心地よくなる。

 

会議中、自分の意見を言わずに思い通りの結論に導く

「私としてはこう思います」と言ってしまうと、みんなを萎縮させたり、逆に反発させたりする。押し付けるのではなく、問いかけ、引き出し、それに乗っていけばいい。

活発に意見の出る会議であれば、その中から自分の意見に近い人の発言を受けて、「今、◯◯さんがおっしゃったのは、こういうことですよね」と確認するのが効果的である。まず、発言の内容を繰り返すと他の参加者の印象を強くできる。そして「とても即効性のあるアイデアのように感じました。いかがですか?」と、周囲を巻き込んでいく。

心がけるべきポイントは「私の意見」ではなく「みんなの意見」にしていくこと。そのためにも、会議の序盤、中盤は聞き役に徹する。

 

責任を取りたくない上司を、説得せずにその気にさせる

物事を決められない上司にも、相応の理由がある。だからこそ、部下から「現場」と「自分」の間に線を引かれるようなことを言われると余計に意固地になったり、孤独感が増す。

そうした上司を無理に説得せず、その気にさせるためには「あなたにもプラスです」とアピールすることである。決められない上司は、実際も現場の機微を分かっていない人がほとんど。本音としては、現場がわからないから決めようがない。だからこそ、現場のために動くことで得られる上司のメリットを示していく。

また、管理職は3か月、半年、1年という時間軸で物事を見ている。その時間軸に合わせて話をすることも効果的。上司が譲歩しやすい「再考可能」などの言葉をプラスするとより効果的である。将来の逃げ場を作ってあげるのである。

 

言っていることとやっていることの違う上司を、指摘せずに反省させる

部下は、上司に対して文句を言うのではなく、「あなたは期待値とのギャップを作ってしまっていますよ」と気づかせてあげることが賢明である。その時のキーワードは「誤解」。

「いつでもとおっしゃっていたお言葉に甘えてしまいました」「アドバイス通りにやったつもりなのですが、間違って理解していたかもしれません」

ポイントは上司を頼りにしているという前向きな感情を乗せること。相手が「いや、自分の言い方も悪かった。ごめんね」と逃げられる隙を残してあげれば、感情のしこりが残らない。

 

長い話を不快にさせずに終わらせる

気分を害さずに、話を終えてもらう方法はたった1つ。少しでも早く「オチ」にたどり着くこと。そこで「オチに近づける質問」をすることで、話を早送りにする。相手が一番言いたいことを予測して、それを引き出すような質問さえできれば、話のオチまでの時間を一気に短縮することができる。