OPEN TO THINK 最新研究が証明した 自分の小さな枠から抜け出す思考法

発刊
2020年11月26日
ページ数
360ページ
読了目安
514分
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思考の質を高めるために必要なこと
より良い思考をするために必要な考え方を紹介している一冊。「クリエイティブ思考」「クリティカル思考」「アプライド思考」という3つの思考フェーズを繰り返すことで、思考の「質」を高める方法を書いています。

より良い思考をするために必要なこと

私たちの思考は、受け取るインプットや情報が常に変化していくのに応じて、柔軟に形作られていくものであるべきだ。思考の「質」は、物事に対して継続的に問いをぶつけていく能力の程度によって決まるのだと、私たちはもっと自覚しなくてはならない。

 

・新しいアイデアに対していかにオープンであるか。

・いかに証拠に基づいて意思決定ができるか。

・いかに物事を完遂できるか。

 

より良い思考ができるかは、これら3つの要素にかかっている。この3つの相互作用こそ、私たちが「オープン思考」と呼ぶコンセプトの中核をなすものである。

 

オープン思考の3つのフェーズ

次の3つの要素は、オープン思考を構成する、主要なカテゴリーである。

 

①クリエイティブ思考(創造的思考)

制約から自らを解き放ち、新しいアイデアを生み出すこと。

 

②クリティカル思考(批判的思考)

道義的かつタイムリーな判断をするために、アイデアや事実を徹底的に分析すること。

 

③アプライド思考(実践的思考)

決断をきちんと実行に移すこと。

 

オープン思考をするには、熟考と行動のバランスが取れていなければならない。この2つの間にある支点がずれてしまうと、「無関心思考」「優柔不断思考」「硬直思考」という、思考の悪習慣のいずれかに陥ってしまう。

 

  • 無関心思考
    過去に学習した習慣に慣れてしまうあまり、何か違うことを試してみるのをあっさりやめてしまうことがある。ルーティンや手順やシステムを覚えてしまうと、身に馴染んだ習慣を捨てるのが難しくなる。
  • 優柔不断思考
    選択肢をやたら批判したり、広げたりすることに異常に長く時間をかけてばかりいると「分析まひ」に陥るリスクがある。選択肢の数が飽和すると、私たちはその分時間を圧迫され、意思決定するのも気が重く、不安になってしまう。
  • 硬直思考
    思いをめぐらせ、立ち止まり、よく考えて、それから対応するという、思考の各要素を調和させるプロセスに重きを置かず、「どうせ時間がかかるだけだから」と単純に行動することを選ぶ。

 

熟考と行動の両方にかける時間を最大化すると、つまり、思い描き、判断をし、そして行動をするということを意識的に継続していくと、オープン思考ができるようになる。しかし、熟考と行動の効果の最大化にならない時間の使い方をしてしまうと、無関心思考、優柔不断思考、硬直思考のいずれかのタイプに陥ってしまう。

オープン思考の秘訣は、熟考と意思決定と行動、それぞれのフェーズに繰り返し立ち戻ることである。より良い思考ができるようになるためには、立ち止まり、状況をよく観察して、思い巡らせる時間をきちんと取らなければならない。

 

オープン思考ができる人の特徴

オープン思考とは「熟考と意思決定と行動とをホリスティックに行うことで、道義にかなった結果を導く試みのこと」である。

 

オープン思考の過程で継続的にクリエイティブ思考、クリティカル思考、アプライド思考を行なっている人には、「常に学んでいる」という特徴がある。彼らの好奇心はまるで溢れんばかりである。オープン思考をする人は、現状維持を嫌う。新しい知識、新しいアイデア、新しい関係性、新しい情報をどんどん取り入れては、それをオープン思考の燃料にしている。

 

オープン思考ができる人は、自分の考え方を変えることをいとわない。むしろそれが健全だと考えているため、非常に思い切りがよく、自分とは違う意見や見方を探していく。既存のバイアスに甘んじたり、それを強めてしまったりするのは、もっとも硬直思考に陥りやすいパターンの1つだと知っている。
学ぶこと、そして過去の意思決定や考え方を見直すことに対してオープンであるというだけでなく、もっとよくしていくために、今とは正反対の考え方であっても積極的に採用する。過去にうまくいったやり方に固執しようとする現状維持の思考を打破することに、何の迷いもないのである。