ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代

発刊
2016年6月24日
ページ数
382ページ
読了目安
519分
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独創性を発揮する人になるための根本的な考え方
誰でもオリジナリティを発揮できる。オリジナリティとは何かについて論じている一冊。

既存のものを疑い、より良い選択肢を探すことが大切

昔の心理学者の研究により、業績の達成には「コンフォーミティ」(同調性)と「オリジナリティ」(独自性・独創性)という2種類の方法があることがわかっている。コンフォーミティとは、多数派にならって従来の方法を踏襲し、現状を維持することだ。オリジナリティとは、未開発の方法をとり、流れに逆らう新しいアイデアを推し進めつつ、最終的により良い状況を生み出すことだ。

「オリジナリティ」とは、ある特定の分野において、その分野の改善に役立つアイデアを導入し、発展させることを意味する。オリジナリティそのものは、創造性に端を発する。まず何より、斬新で実用的なコンセプトを考え出すことだ。さらに、オリジナルな人とは「自らのビジョンを率先して実現させていく人」である。

オリジナリティの最たるポイントは、「既存のもの」を疑い、より良い選択肢を探すことだ。まず必要なのは好奇心だ。そもそもなぜ既存のものが存在するのかということをじっくり考えてみる。既知のものを目の前にしながら、新たな視点でそれを見つめ、古い問題から新たな洞察を得ることだ。納得できない既存のシステムに好奇心を持ってみると、大部分のことは社会的な要因に端を発しているということがわかってくる。

必ずしも極端なリスクを冒す必要はない

オリジナルな人間になるには、極端なリスクを冒さなければならないという認識は、文化的に深く根付いていて、多くの人は疑問を持つことすらしない。しかし、現状を打開しようとするような人たちは、外見的には大胆で自信満々に見えるが、彼らも恐れやためらいや自己不信と戦っている。オリジナルな人たちは思うよりずっと普通の人たちなのだ。成功を収めるオリジナルな人は、ある部分で大きなリスクを冒しつつ、別の部分ではことさら慎重になることでバランスをとっている。しかし、何が違うかといえば「それでも行動を起こす」ということだ。「失敗することよりも、やってみないことの方が後悔する」ということをわかっているのである。

アイデアの成功確率を高めるには数が必要

オリジナリティを阻む最大の障壁はアイデアの「創出」ではない。アイデアの「選定」である。斬新なアイデアの中から、適切なものをうまく選び出せる人がいないことが問題なのだ。

創作者が自らのアイデアを適切に評価できないとすれば、傑作を生み出す可能性はどうすれば高められるのか。その方法は「多くのアイデアを生み出すこと」だ。ある分野における天才的な創作者は、同じ分野に取り組む他の人たちよりも、特に創作の質が優れているわけではない。ただ、大量に創作すると、多様な作品が生まれ、オリジナリティの高いものができる確率が高くなるのだ。多くの人が斬新なものに到達できないのは、アイデアをちょっとしか出しておらず、その少数のアイデアを完璧に磨き上げることに捉われているからだ。

自分の専門分野以外では直感はあてにならない

斬新なアイデアが成功する可能性を正確に予測するには、評価する分野において経験を積んだ人物であることがベストだ。直感は、自分の経験が豊富にある分野においてのみ正しい。直感が頼りになるのは、予測可能な環境で判断を下す経験を積んだ時だけだ。

オリジナリティを正確に評価するには、自分自身で判断しようとしたり、上司に意見を求めたりするのではなく、同じ分野の仲間の意見をもっと求めていくべきだとわかる。今や直感は、新しい物事に対処するヒントとして頼れなくなっており、だからこそ「分析」がより重要になってきている。

オリジナルであるには先発者である必要はない

オリジナルな人になるためには、一番最初に行動しなくてはならない訳ではない。新しいアイデアを生み出すこと人に、先延ばしにすることは創造性のきっかけになる。そして、先発者となることは、利点よりも不利な面が大きいことがままある。オリジナルであるには先発者である必要はなく、オリジナルとは、他とは異なる、他よりも優れていることである