科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方

発刊
2019年12月13日
ページ数
288ページ
読了目安
313分
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自分にとって最高の仕事を選ぶ方法
科学的根拠をもとに、自分に合った仕事を探すための具体的な方法を紹介している一冊。仕事選びを間違えないために必要な知識とアドバイスが書かれています。

仕事選びは徹底的に考え抜くべき

就職と転職の失敗は、約7割が「視野狭窄」によって引き起こされる。「視野狭窄」とは、物事の一面にしか注目できなくなり、その他の可能性を全く考えられない状態を意味する。調査の中で最も多かった失敗は「下調べをしっかりしなかった」というもの。その他に視野狭窄の定番パターンがある。

・お金に釣られる
・「逃げ」で職を決める
・自信がありすぎる、またはなさすぎる

いずれのパターンにせよ、仕事探しの一部のポイントにしか目が向かず、様々な選択肢が頭から抜け落ちている。

仕事選びにおける定番のミス

仕事選びにおいて、以下の行動は、短期的には喜びの感覚を与えてくれても、長期的な人生の満足度には何の関係もない。

①好きを仕事にする
多くの職業研究によれば、自分の好きなことを仕事にしようがしまいが最終的な幸福感は変わらない。「好きな仕事」を求める気持ちが強いと、その分だけ現実の仕事に対するギャップを感じやすくなり、今の仕事を本当に好きなのか疑念が生まれる。仕事に情熱を持てるかどうかは、人生で注いだリソースの量に比例する。熱心に何かをやっている内に情熱は生まれる。

②給料の多さで選ぶ
給料が多いか少ないかは、私たちの幸福や仕事の満足度とほぼ関係がない。幸福度は年収400〜500万円のあたりから上昇しづらくなる可能性が高い。

③業界や職種で選ぶ
専門家であっても有望な業界など予測できない。さらに人間は自分の個人的な興味の変化を予測できない。

④仕事の楽さで選ぶ
楽すぎる仕事は、幸福度を大きく下げる。ほどほどのストレスは、幸福感を高める。

⑤性格テストで選ぶ
性格診断によって適職が見つかる保証はどこにもない。

⑥直感で選ぶ
直感が正しく働くためには「ルールが厳格に決まっている」「何度も練習するチャンスがある」「フィードバックがすぐに得られる」の3つの条件を満たす必要がある。しかし「仕事探し」にはこれら条件は当てはまらない。

⑦適性に合った仕事を求める
私たちのパフォーマンスを左右する変数は多すぎるため、既存の適正判断は役に立たない。

仕事の幸福度を決める7つの要素

以下の要素が揃った仕事であれば、どんなに世間的には評価が低い仕事でも幸せに暮らすことができる。

①自由
自由ほど仕事の幸せを左右する要素はない。職場の自由度が高くなるほど、仕事への満足度は上がる。

②達成
「小さな達成」が仕事のモチベーションを大きく左右する。自分の作業へのフィードバックが即座に得られるような仕事が理想である。

③焦点
攻撃型(目標を達成して得られる利益に焦点を当てる)か防御型(目標を責任の一種と捉え、競争に負けないために働く)か、自分の焦点タイプに合った働き方が仕事の満足度を高める。

④明確
私たちは自分の幸福を他人との比較で決める。信賞必罰の明確さ、タスクの明確さがモチベーションを高める。

⑤多様
自分が持つ色々なスキルや能力を幅広く活かすことができ、業務の内容がバラエティに富んでいれば、幸福度が高まる。

⑥仲間
給料の多さや仕事の楽しさなどの要因とは関係なく、社内に良い友人がいるだけでも人生が幸福になる。

⑦貢献
満足度が高い仕事は、他人を気遣い、他人に新たな知見を伝え、他人の人生を守る要素を持っている。