その悩み「9割が勘違い」 科学的に不安は消せる

発刊
2020年7月27日
ページ数
272ページ
読了目安
307分
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推薦者

悩みや心配を減らすために知っておくべきこと
ほとんどの悩みの原因は、人類の進化の過程で発展した遺伝情報である。人に備わる2つの心の動き「ホットハート」と「クールマインド」を説明し、どうすれば悩まずに心を調節できるかを紹介している一冊。

感情的な心と理性的な心

遊んでいる時や趣味に興じている時、脳では快楽物質が多く分泌される。これは「ホットハート」という心が働くからである。ホットハートは直感的な行動を起こす心である。「食べる」「休息する」「子孫を残す」といった生物学的に「生き残る可能性を高める行動」を取れば楽しくなるようにホットハートは長年の間に形成された。

一方、人間は熟慮的な思考をする心「クールマインド」を持っている。人類は文明社会を築いたことによって、ホットハートでは対応できないことに、クールマインドという別の心を活用することにした。クールマインドは環境の変化に対して柔軟に働き、ホットハートの一部を調節できる。但し、ホットハートに比べて力は弱く、自ら快楽物質を分泌することもできない。

悩みの多くは遺伝で培ったホットハートと、クールマインドによるすれ違いが原因である。なんとなく感じたホットハートをクールマインドが勝手に理由づけしていることに起因している。一般に、ホットハートがいつ、どのように作動するかをクールマインドが知っていると、うまく「ホット&クール」が実現でき、悩みの多くを改善することができる。ホットハートとクールマインドの関係をしっかり自覚し、ホットハートの働きをコントロールする必要がある。

 

マイナスな気持ちを科学的に変える

ホットハートには、進化の過程で生き残るために必要だった機能を引き継いでいる。これは場合によっては厄介な働きをするため、人間に特有のクールマインドを駆使して、うまく調節していく必要がある。

 

悩み:雨の日になると憂鬱になって気分が滅入ってくる

原因:晴れの日は狩りに出かけ、雨の日は休む習慣が原因

対策:脳を上手にだまして、雨の日にできる楽しいことの実践を重ね、雨の日を楽しみに変える

 

悩み:やめようと思っても、ついつい食べ過ぎてしまう

原因:太るのは飢饉への備えのせいで、むしろうれしいことだった

対策:「おいしくない」という想像をすることで、自分をだます

 

悩み:大人になっても全然、人見知りがなおらない

原因:身近な個体は仲間、知らない個体は敵だった

対策:人見知りを改善させるには慣れるしかない

 

悩み:何に対しても情熱が湧かない

原因:今、幸せな状態だったら、人は幸福感を得られにくい

対策:かつての幸福でない状態を覚えておき、それを思い出して現状と比較する

 

悩み:自分をよく見せたいために見栄っ張りがやめられない

原因:上位を目指すチンパンジーの典型的なアピール方法は牙をむくこと

対策:見栄っ張りがやめられない場合には職場以外でアピールをする

 

悩み:何をやっても後悔ばかり

原因:未来の選択をよりよくするために「後悔」は必要だった

対策:後悔をポジティブに変えるためには、よくなる未来を想像する