LEAP ディスラプションを味方につける絶対王者の5原則

発刊
2019年11月29日
ページ数
344ページ
読了目安
500分
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競争優位を維持するための原則
企業が競争優位を維持し続けるには何が必要なのか。過去に後発企業によって破壊的なダメージを受けた企業の事例や、先行優位性を維持し続ける企業の事例などをもとに、どうすれば企業は競争優位を保てるのかという原則を紹介している一冊。

永続的な優位性を築くことはできるのか

優位性が揺るがないような、独自のポジショニングを追求しても、それは幻想に過ぎない。知的資産やポジショニング、ブランド認知、生産規模、そして流通ネットワークすらも、長時間の競争に耐え得るものではない。どんな価値提案も、それにどれほど独自性があっても、脅かされないことはない。良いデザインや優れたアイデアも、それを企業秘密にしても、特許があっても、結局は真似される。

こうした状況の下で、長期にわたって成功するための唯一の方法は「リープ(跳躍)」することだ。先行企業はそれまでとは異なる知識分野に跳躍して、製品の製造やサービスの提供に関して、新たな知識を活用するか、創造しなければならない。そうした努力が行われなければ、後発企業が必ず追い付いてくる。

先行企業がリープしないのは、企業幹部らが現在の事業の目標達成に関して、大きなプレッシャーを受けているからだ。長期的な観点で良いと思われることは、短期的には犠牲を伴う。

ディスラプションを味方につける5原則

企業がリープするためには、次のような新しい考え方とマネジメントが必要になる。

①自社の基盤となっている知識とその賞味期限
破壊的なイノベーションや消費者の嗜好の変化がない時でも、後発企業は先行企業に対して恐るべき攻撃を行う。この危険なシナリオを回避するためには、企業幹部はまず何よりも、今自社の基盤となっている知識、核となる知識を再評価し、その成熟度合を評価し直す必要がある。危険を避けるには、まず自分たちの位置を知ることから始めなければならない。

②新たな知識分野を見つけ、開拓する
ある分野での知識の発見が別の分野での発見につながる。究極的には、この継続的な発見のプロセスが、成長のための新たな道を切り開いていく。競争優位を確立するには、こうした新たな知識の吸収と、新市場や新事業のタイムリーな創造が重要になる。現在あるものを修正するのではなく、大きく前に進むことによってのみ、先行企業は後発企業の追い上げから逃れることができる。

③地殻変動レベルの変化を味方につける
歴史によって過去の理解することが新たな知識分野へのリープという概念の確立につながるのならば、私たちは歴史についての理解を基に未来を考える必要がある。勝利するためには、自らの周囲の地殻変動を活用し、それに従ってリープしなければならない。今後数十年で重要になってくる力を認識し、他社よりも先に自社のコンピタンスを再構成しなければならない。

④実験、実験、実験
企業幹部らは重要な情報が欠けていることさえ、気づいていない可能性がある。証拠に基づいた意思決定を行うには、頻繁に実験を行う必要がある。そうすることで、わからない部分を減らし、必要なレベルの情報をもって結論を下す。

⑤実行へのディープダイブ
先行企業のリープを難しくするのは、変革的な事業提案も、上の階層に上げられる中で却下されてしまうことだ。だからこそ、頂点に立つ人物が、必要な時には介入して新たな方向性を実現しなければならない。経営トップ個人が重要な分岐点で介入し、その力を活かして障壁を乗り越えることを、CEOの「ディープダイブ」と呼ぶ。この原則によって、先行企業が自社を再構築し、自社の仕組みを変えるための最後のハードルが取り除かれる。