誰かに正解を求めるのではなく、自ら正解せよ
会社も上司も明快な答えを持たない中で、様々な仕事を任せられ結果を求められる管理職の人たちにかかる不安やプレッシャーは、これまでになく大きなものとなっている。そこで必要とされるのが、誰かに正解を求めるのではなく、自ら正解にしていく力である。
「上司は答えを持つべきだ」「どこかの本に答えがあるはずだ」という、自分の外に答えと責任を求める考え方では、自律的に一歩を踏み出すことはできない。答えのないところでただ右往左往し、不安やプレッシャーによるストレスに苛まれるのか、それとも自分で判断し行動しながら、結果として周りを納得させてしまう、つまり自分で正解にしてしまうのか。
正解にしていくためには自分で判断し考え行動しなければならない。そのためには正しい知見と自分なりの価値基準、マインドセットが必要になる。
読書によって知識を身に付けよ
自ら行動し、正解に導いていくための一番のポイントは、知識を身に付けることである。最低限の知識と情報がなければ自分の力で答えを出すことは不可能である。1つの分野のことは、関連書籍を30冊読めばほぼ専門知識が身につくと言われている。そこまでいかずとも3冊読めば、その分野のことが大まかに理解できる。読書による幅広い知識を身に付けることは大切である。
正解のないところで自ら正解を見つけるには、周囲の環境に振り回されずブレないで仕事を続ける力が必要になる。混沌として、正解が見つけにくい時代に、ブレない自分を作り上げるには基礎的な知識と教養、論理性を身に付けることが不可欠である。その力をつけてくれるのが、他でもない読書である。
不安やプレッシャーを跳ね返すためのポイント
読書によって基礎的な知識と教養、論理性を身につけた上で、自ら正解を作っていくには、さらに5つのポイントがある。
①突破力
ブレることなく、目標に向かって進んでいく力のこと。その際、自分の立ち位置や方向性を決めるために理念が必要になる。この核がなければ、正解が見えない中、様々な状況や様々な人の意見に惑わされ迷走してしまう。突破力を身に付けるポイントは、弱点や短所は、強みになり得ると考えること。「だからこそできること」を考える。
②のめり込む力
ゴールに向かって粘り強く努力する力のこと。人が何かにのめり込むことができるのは「自分のやっていることが他者のために役立っているという実感」と「そのことを通じて自己成長できているという実感」の2つをクリアすることが大切である。
③決定力
決定力は「論理性」と「責任感」から生まれてくる。論理性のポイントとなるのは「言葉の定義をしっかりすること」である。論理性が弱いと感情的な判断に流される傾向が強い。そして、責任感は決定力を左右する。何かを決定するということには責任が伴う。その責任を認識していなかったり、避けているうちは決定力は付かない。
④引き寄せ力
自分の考えを正解にしていくには、社内外の人たちに自分の考えを理解してもらい、支援してもらわなければならない。その際、必要になるのが自分の考えを相手に伝える力、「プレゼン力」である。但し、最も重要なのは、基本理念であり、目標設定がしっかりしていることである。
⑤習慣力
どんな面倒なことでも、一度それが習慣になってしまうと苦もなくこなせるようになる。習慣力を高めるには、1日の自分の時間の流れを決め、決まった時間に同じような作業をするようにすることが大切である。その時、できるだけ選択肢を少なくするように環境を変えていくことも必要である。