やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学

発刊
2017年6月22日
ページ数
120ページ
読了目安
98分
推薦ポイント 4P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

心理学的に正しい目標達成の方法
コロンビア大学でモチベーション理論を教える社会心理学者が、多くの心理学者たちの数々の実験と、著者自身の研究成果によって証明済みの「心理学的に正しい目標達成の方法」を紹介している一冊。

やり抜く人の9つの習慣

①目標に具体性を与える
目標は具体的にすること。例えば「やせたい」と思うのならば、目標は「やせる」ではなく「5kgやせる」とするべきである。「自分が望んでいるものは何か」をはっきりとわかっている人は、そこに到達するまでやり抜くことができる。具体的な目標を決めたら、そのために必要な行動は何かを具体的にすることも大切である。「いつまでに、何をするのか」を決める。まずは、具体的かつ詳細に、自分が達成したいことを考え抜くことが大事である。

②目標達成への行動計画をつくる
目標達成のためにやるべき行動を着実に実行するためには「いつ何をやるか」をあらかじめ予定に入れておくべきである。何をするべきかが明確であれば、脳はそれをする機会を逃さず、行動に移すことができる。
やるべきことが多すぎて、何から手をつければいいかわからない時には「if-thenプランニング」という方法を使う。事前に「いつ」「何を」やるかを、はっきりと決めておくことで、実行できる確率は2〜3倍も高くなる。

③目標までの距離を意識する
目標を達成するためには「どれだけ進歩したかをモニタリングする」ことが欠かせない。日々、どれだけ進歩したのかを確認する必要がある。目標までの距離が把握できないなら、今の自分とのギャップを意識することはできない。その結果「やる気が出ない」「集中できない」といった状況になってしまう。
目標に向かって行動する時には、できるだけ多くフィードバックを得ることが大切である。フィードバックによって、向上しているのかがはっきりする。

④現実的楽観者になる
「望むことは簡単にできる」「欲しいものは簡単に手に入る」と考えると失敗の確率が高まるという研究がある。そう考えたせいで油断してしまい、必要な準備を怠ってしまうからである。
ポジティブに「目標は達成できる」と信じるのは大切である。しかし「目標は簡単に達成できる」と考えてはいけない。「成功するのは大変だ」と思っている人は「最善の努力をしなければならない」と考えるので、大きな成功をつかむことができる。

⑤「成長すること」に集中する
どんな分野の能力でも、一般に思われているより、ずっと柔軟性がある。つまり、能力は努力次第で伸ばせる。「今できなくても、できるようになる」と信じることが大切である。
目標を設定する時には「今、何ができるのか」ではなく「これから、何ができるようになりたいか」を考えること。

⑥「やり抜く力」を持つ
成功に必要なことは、努力すること、正しい戦略を立てること、詳細なプランを立てること、そして成功をつかむまで諦めないこと。これらは決して生まれつきの資質ではない。能力は経験や努力を重ねることで高めることができる。そのためには「グリット(やり抜く力)が不可欠である。成功は自分の頑張り次第と信じることで、グリットを発揮することができる。

⑦筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
意志力を定期的に正しい方法で使えば、少しずつ強くすることができる。意志力を強くするためには、これまでにやったことのない、気の進まないことを、自らの意志でやってみることである。大きな挑戦である必要はない。とにかく取り組む価値があると思うことを続けることである。

⑧自分を追い込まない
どれほど意志力が強いとしても限界はある。2つの困難な目標に、同時に取り組むのは避けるべきである。また、どんな目標であっても、できるだけ簡単な方法を見つけるように努めること。

⑨「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
ある思考をしないように努力すると、逆に頭の中はその思考でいっぱいになる。行動を変えたいなら「やめたいこと」を考えるのではなく「やりたいこと」「やるべきこと」を考えることが大切である。