投資レジェンドが教える ヤバい会社

発刊
2017年6月2日
ページ数
288ページ
読了目安
295分
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儲からない会社の見抜き方
これまで6500人の社長と会ってきたファンドマネジャーが、投資すべき会社、投資すべきでない会社のポイントを紹介している一冊。

サラリーマン社長の会社は成長が期待できない

企業経営において重要なのは「目線の高さ」である。サラリーマン経営者の問題は、まず短期志向で企業を経営しがちなこと。四半期の業績にこだわり、長期的な視野が欠落しやすくなる。また、経営に関する決定事項は書類を固め、「みんなで決めた」という形をつくって自分1人が叩かれないように根回しすることも少なくない。間違った意思決定も責任を分散すれば通せるということになってしまう。

社長の保有株比率が高い会社の方が株価が上昇する

一般にサラリーマン経営者は、株価に無関心なケースが多い。オーナー経営者は、自分が一番の株主であるため、株価の上昇や下落には、大変敏感である。

社長の知名度と株価は、ある程度連動している

経営トップの知名度と株価はある程度連動している。これは、経営トップが自分の顔と名前を出してコメントを発しており、メッセージを広く伝える力があることに負うところが大きい。

ヤバい会社の見分け方

①社長の自伝を本人がプレゼントしてきたら、その会社は伸びない
自伝を書ける人というのは、すでに挑戦を終えており、企業を牽引していくだけのモチベーションを維持できなくなっている恐れがある。

②豪奢な新社屋に入居した会社はその時点が業績や株価のピーク
新社屋やピカピカのビルは、経営者のメンタルの問題を表している。立派な建物に会社が移ることによって達成感を得てしまえば、会社はそれ以上伸びなくなってしまう。

③自社ウェブサイトに社長の写真が載っていない会社は要注意
顔写真が載っていないのは、社長が遊び人で「顔が割れる」のを避けているなど、何かしら後ろ暗い理由があることも少なくない。

④社内でスリッパに履き替える会社に投資しても儲からない
企業の習慣は、経営者の心を反映する。「会社と家は同じようなもの」という意識があるとすれば、それは悪しき家族主義である。

⑤生え抜き幹部がいない会社はブラック企業の可能性が高い
会社の生え抜き幹部がたくさん残っていて、取締役として活躍しているようであれば、信用できる会社だと考えていい。逆に、そういった人がほとんどいない場合はブラック企業である可能性が高い。

⑥社長の車が高級外車だったら、ダメな会社である可能性がある
企業の経営に豪華な車は必要ない。高級外車を会社名義で買っているとすれば、会社の資金の使い方が適切でないと考えられる。

⑦「役員が多すぎる」、「相談役」や「顧問」がいる会社は将来性がない
役員数が多い会社は、それだけ肩書きが物を言う風土があり、肩書きを重視する人が多いことを示すと言っていい。相談役や顧問には、会社が捨て扶持を与えている場合がよくあり、その額がかなり大きくなる企業もある。

⑧美人すぎる受付嬢がいる会社は問題がある
あからさまに美人の女性だけが受付に並んでいるとすれば、それは採用の段階で正当な評価基準を設けていないことを表している。

⑨晴れているのに傘立てに傘が一杯ある会社は成長しない
晴れているのに傘立てに傘がたくさんある会社は、細かいところにも目配りして注意する社長や管理職がいないということ。様々な面で部下の教育が行き届いていない。

⑩役職名で呼び合う会社は世の中についていけていない
社員同士が役職名をつけて呼び合う会社は、下剋上がない。つまり年功序列が当たり前で、降格が行われたり、部下が上司を飛び越えて昇進することもない。

⑪情報開示が頻繁すぎる会社は要注意
頻繁に様々な情報を開示することで期待感を煽り、株価をあげようとしている。中でも「事業提携」や「新商品・サービス」の話題が多く、まだ実際にはスタートしていない案件を「今後開始する予定」として発表しているところは注意が必要。