半径5m最適化
アメリカやイタリアの人は職場における同僚との関係構築を、日本人よりも上手にやっている。その結果、信頼をベースにした働きやすい職場になり、楽しみながら仕事ができる。それによって成果もきちんと出る。
個人が効率的に成果を出すためには「自分の席から半径5m以内、つまり同じ部署で毎日顔を合わせる数名との関係づくり」がカギになる。
3つの基本姿勢
「半径5m最適化」の成功は、「この人になら協力したい」と周囲から思われるかどうかにかかっている。そのため、仕事に向き合う姿勢がいい加減では、周囲の信頼は得られない。
①「働き惜しみ」しない
「面倒くさいから」と手を抜いた仕事をすれば、必ずそれは結果に現れる。相手の話をいい加減に聞けば、相手もいい加減に対応する。嫌だと思った仕事、回り道だと思った経験でも、腰を据えて引き受ければ、思わぬところで自分の糧になる。そして、仕事をする自分を遠くから見ている人は必ずいて、次のチャンスを与えてくれる。
②体と頭をバランス良く使う
長時間デスクワークをしていると集中力が続かないし、頭も疲れる。同じことを繰り返し考え、同じ書類を何度も眺めても、考えは堂々巡りになりがちである。同じ仕事ばかりしていると、使われる回路が一緒で脳が飽きてしまう。新しい作業で脳の違う回路が働けば、今まで働いていた回路が休憩モードに入り、結果的にリフレッシュできる。この回路の切り換えは5分で良い。
③「より良い自分」を目指す
「半径5m最適化」は「今、自分さえ良ければそれでいい」という刹那的なものではない。周りとの良好な関係性を築き、コミュニケーションや仕事の進め方の新たな学びを得ることで、人間として社会人として成長できる。
ちゃんとしゃべること
・10回に1回は、顔を合わせて話すどんなに文字や絵文字を連ねるよりも、感情のこもった一言がより多くを語り、相手の心を動かす。
・「スモールトーク」の達人になる
スモールトーク(世間話)が上手な人は「親しみやすい」「話しかけやすい」とされ、チームメンバーからの高評価にもつながる。他愛もない話をすることで、人と人との関係は「個人的」なものになり、親近感が生まれる。
・「何かできることある?」を声をかける習慣を持つ
「何かできることある?」と声をかけると、「自分は気にかけてもらっている」という安心感が生まれ、精神的な支えになる。
半径5mによい風を吹かせる
・1日数回は声を出して笑う自然のまま声を出して笑えば、同僚も「どうしたの?」と集まってくる。皆で笑えば仲間意識が生まれ、さらに活気ある職場になる。
・褒め言葉を10個持つ
褒め言葉が回っていると、人間関係は良くなるし、自分も同じように相手の褒めどころを探そうという気持ちになる。大事なのは「心から褒めること」、そして「相手にしっかりと伝わること」である。
・まず「聞く耳」を持つ
部下やチームメンバーの話に丁寧に耳を傾け、共感し、力づけ、彼らが自律的に目標にむかえるようにサポートする。その過程でメンバーも互いの意見に真摯に耳を傾け、サポートし合うようになれば、働きやすい職場も実現する。