定年後も働きたい。――人生100年時代の仕事の考え方と見つけ方

発刊
2019年11月28日
ページ数
350ページ
読了目安
262分
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定年後も働くために必要な考え方と基本
定年退職後に働き続けるための基本的な考え方を紹介している一冊。受け身の姿勢ではなく、自分をアピールし、生きがいとなる仕事を見つける姿勢が必要だと説いています。

シニア世代の現実

多くのシニア世代は生涯現役を目指し、やる気満々で、もう一度、仕事に就くことを考えている。今まで培った経験や能力は定年後すぐに消えてしまうものではないし、どこかで役に立つはず。しかも、働けば老後の生活費を補え、規則正しい生活で健康を保つこともできる。

しかし、実際はそう単純ではない。仕事探しを始めると、自分が望むような求人や仕事はほとんどないという現実を知る。シニア世代への求人はそれなりにある。しかし、人にはそれぞれ自分の人生への理想やこだわり、プライドがある。定年後の仕事だからといって、何でもいいわけではない。問題はこの求人側と求職者とのミスマッチである。

働く側も、そもそも働くことは良い条件の雇い先を探すことだけなのか、自分の経験やスキルは決まった分野でしか生かせないのかということを考えてみるべきである。人生100年の時代には舞台がいくつもある。受け身の姿勢から脱出し、自ら新たなステージで生きる自覚と準備が求められる。

悩む時間を持て

必要なのは、自分の何が他者にアピールできるかを知ることである。訴えたいスキルや経験は何か、それを生かせる仕事はどんなものがあるか、それは自分がやりたいことなのか、もしも希望の仕事がないとしたら、他にどんな道が考えられるのか。

定年後の生き方が定まっていないなら、意識的に悩み、考える時間を作る必要がある。但し、考える期間は半年から1年。それなりに悩んだら、まずは動いてみて、そこから軌道修正すればいい。

情報収拾し、柔軟に考えよ

定年後には、新卒学生と同じように、再就職ガイダンス、業界や企業研究が必要である。情報をつかんだ人と、知らない人との間には大きな差ができる。組織に属していた時のように、仕事は向こうから来てくれない。必要な情報を自分でつかむ努力が肝心である。

採用側の多くは、シニア世代がどんな意識と力を持っているのか、どう使っていいかを理解していない。シニア自身が多種多様な能力を持っていることをアピールすれば、新たな仕事や職場の可能性が広がる。

自分にふさわしい仕事は現役時代と同じ会社にあるとは限らない。経験や能力は別の会社や別のやり方で生かせる場合もある。常にアンテナを張っておき、チャンスがあれば動くことで、新しくて豊かな人生を手に入れることができる。まず変えるべきは、選んでもらう機会を待っているという受け身の姿勢である。

仕事の見つけ方

①ハローワーク「生涯現役支援窓口」
ハローワークの求人状況は60歳定年前後で大きく違っている。65歳以上になると、清掃作業員、警備員、介護施設などの求人が圧倒的。希望の多い事務職、専門職、経営管理職などはほとんどない。

②シルバー人材センター
主な目的は生きがいや健康づくりにあるため、ハローワークのように生活資金を得るための就労紹介ではない。軽作業の仕事などでゆるやかに働きたい人向け。

③国・自治体の就労支援策
・産業雇用安定センター「キャリア人材バンク」
・東京しごとセンター
・アクティブシニア就業支援センター

④求人サイト
「求人・求職、60代、シニア」などのワードで検索すると、たくさんの求人サイトが表示される。

企業がシニア社員に求めるもの

会社も人手不足だからといって、誰でも雇うわけではない。シニア採用のメリットとして、最も評価されたのは「経験やスキルを活かし、多業務をこなしてくれる/専門業務に対応してくれる」で、やはり即戦力である。最近は特に専門性と高い経験値、課題解決能力を持ったシニア人材が求められるが、専門性が見えにくいのがホワイトカラーである。そのため、自分はどのスキルと経験で、個々の会社に貢献できるかを考えて就職活動に臨むことが重要となる。