ギグ・エコノミー 人生100年時代を幸せに暮らす最強の働き方

発刊
2017年9月22日
ページ数
280ページ
読了目安
338分
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終身雇用が終わった時代の働き方
終身雇用ではなく「ギグ(単発の仕事)」を基盤とした新しい働き方「ギグ・エコノミー」が広まりつつある。人生100年時代にどのように働いていけばよいのか、新しい働き方のための心得を紹介している一冊。

ギグ・エコノミーとは

今やギグ・エコノミーは新たな労働・経済形態としてメディアで盛んに取り上げられ、アメリカ大統領選挙でも議論が交わされたほど大きなトピックになっている。しかし、終身雇用ではなく「ギグ(単発の仕事)」を基盤とした新たな環境の中で充実した職業生活を送り、成功を収めるにはどうすればいいのかをはっきりと理解している人はほとんどいない。

ギグ・エコノミーとは、終身雇用の正社員から無職までに挟まれた労働形態を幅広く含む概念である。コンサルティングや業務請負、パートやアルバイト、派遣労働、フリーランス、自営業、副業のほか、オンラインプラットフォームを介したオンデマンド労働などが当てはまる。

ギグ・エコノミーはまだ発展の初期段階にあるが、すでに世の中の働き方を大きく変えようとしている。1つ前の世代までは、正社員としてフルタイムの職に就き、定年まで同じ会社に勤めあげるか、転職してもせいぜい1回というコースが当たり前だった。しかし、安定した昇給、手厚い福利厚生、長期勤続の末にもらえる退職金を期待して人生の見通しを立て引退を迎えるという道は極めて狭い道となった。

ギグ・エコノミーの10の成功法則

①自らの成功を定義する
自分にとって成功とは何なのかをしっかり考えておかなければ、他人のものさしを頼りに生きるという事態に陥ってしまう。ギグ・エコノミーで成功するには、フルタイム従業員に限らず様々な働き方をすると共に、仕事に対する意識を「従業員思考(どんな職に就こうか)」から「チャンス思考(どんな仕事をして、どんな価値を生み出そうか)」に切り替える必要がある。チャンス思考の労働者は積極的に人脈を広げ、新たなスキルを習得し、したことのない経験を求める。フルタイム従業員として働くこともあるが、その場合も今の職場でスキル・経験・ネットワーク・評判・知識を高めて将来への足がかりにしようと戦略的に考える。

②働く場を分散させる
既にあるスキル・経験・興味を活かして、複数のギグからなる多角的ポートフォリオを整えることがギグ・エコノミーで成功する鍵だ。働き方を多角化すればリスクが減り、新たなチャンスが舞い込み、人脈が広がり、スキルが向上する。一般的なアプローチは、十分に稼げるギグをまず定めること。その上で、幅広いチャンスに目を向ける。

③生活保障を設計する
自分で手に入れられる保障で最も強力なのは、雇用ではなく収入の保障だ。常に働く場を探し、スキルと価値の自己評価とアップデートを行い、将来のチャンスにアンテナをはり続ける。

④ネットワーキングをせずに人脈をつくる
新たなチャンスや副業、仕事の可能性を探すための鍵を握るのが人脈だ。人脈作りには、投稿記事やブログを書く、SNSで積極的に活動する、カンファレンスで講演する、イベントを主催するなどがある。

⑤リスクを軽減して不安に立ち向かう
不安に立ち向かう鍵は、不安を明確で具体的なリスクに分割することである。リスクを特定・評価し、軽減策を考える。

⑥仕事の合間に休みを取る
ギグ・エコノミーでは時間の裁量が増える。年間2週間の有給休暇を与えられるのではなく、オフの時間を取ってどう使うかを自分で決める。オフの時間を使って何をするかを考えることが大切である。

⑦時間への意識を高める
時間は資源だと自覚し、何に使ってどう配分するかを意識する。自分の中で優先順位が高いことに時間を割くチャンスが増える利点もある。

⑧柔軟性のある家計を組み立てる
固定費を低く、貯蓄を多く、借金を少なく保ち、経済的に柔軟な家計を組み立てる必要がある。

⑨所有からアクセスに切り替える
所有ではなく、必要な時だけアクセスすれば安く済み、差額を貯蓄や投資、時間節約に回すことができる。

⑩老後の資金を貯める
様々な形で貯蓄し、働けるうちはできるだけ長く働き、自分なりに工夫して引退生活を計画しなければならない。