SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる

発刊
2017年8月31日
ページ数
224ページ
読了目安
258分
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マルチタスクは生産性を下げる
マルチタスクを行うと効率が低下する。一点集中でタスクをこなす方が、背効率を高めることができると紹介する一冊。

マルチタスクは存在しない

私たちは必死になって一度に複数のタスクをこなそうとしている。その結果、注意散漫な生活に歯止めが効かなくなっている。集中力がなくなり、ストレスがたまり、目の前の作業と何の関係もないことでヤキモキする。おまけにそうすることで、今目の前にいる人たちに無礼をはたらいている。マルチタスクをこなそうとする試みと能率の悪さには、相関関係がある。

人間の脳は、一度に複数のことに注意を向けることができない。マルチタスクは情報の流れを遮断し、短期記憶へと分断する。そして短期記憶に取り込まれなかったデータは、長期記憶として保存されずに、記憶から抜け落ちていく。だから、マルチタスクを試みると能率が落ちるのだ。

人間は実のところマルチタスクなどしていない。タスクの切り替えをしているだけだ。タスクからタスクへと素早く切り替えているだけである。こうした行動を続けているとマルチタスクをしているような気分にはなるものの、現実には一度に2つ以上のことに集中できない。その上、注意をあちこちに向けていると、効率が落ちる。

「今、この瞬間に意識を向ける」練習をせよ

シングルタスクとは「今ここにいること」「一度に1つの作業に没頭すること」を意味する。シングルタスクをするには、今という瞬間、他の要求に一切応じることなく、1つの作業だけに取り組むことが求められる。次の作業に着手できるのは、今取り組んでいる作業を終えてからだ。

過去についてくよくよと考えるのも、不安な未来を思い描くのも、無益なだけでなく、怠惰にすぎない。こうした行為は、「今」という瞬間を「ここ」で生きる邪魔をする。時には、どれほど無関係なことを考え、うわの空になっているか、自分の目の前のタスクにどれほど集中できているのかを評価すると良い。

「シンプルに考える」ための時間をつくる

シンプルに考えたいなら、1日の間に「一人でじっくりと考え事をする時間」を決めるのがいい。自分が楽しめるものを利用し、頭の中を整理し、すっきりさせる工夫をすると良い。

今の状況において、自分にとって「もっとも大切なこと」を決め、責任を持ってやり遂げる方法も、意識を集中させるために有効である。

メモをすることで集中する

もし、進行中の作業とは関係のない何かが頭に浮かんだら、その考えをひとまず傍に置き、あとで時間ができたら対処する習慣を身につけると良い。1つの作業に集中している最中に、他のことについてのアイデアがひらめいたら、あとで考えられるようにそれを書き留めておくのだ。それが現在の作業と無関係なら、そちらに注意をそらしてはならない。ひとまずそれを書き留め、すぐに本来の作業に戻ること。

タスクをまとめて「集中的」に処理する

・毎朝「3〜5分」の時間をとり、今日の予定をすべて書き出す
・「類似タスク」をグループ分けし、まとめて同じ時間に処理する
・メール送信を「出社時」「昼休み前」「退社前」の3回に制限する
・1日2回、「空白タイム」をスケジュールに入れ、バッファを持つ

人の要求に「短時間」で効率よく対応する

・1つのプロジェクトに取り組んでいる合間に「別の仕事」の確認をしない
・ほんの数分、部下や顧客に「完全に集中」して対応する
・敬意を示しながら、きっぱりと「ノー」を言うことで相手の信頼を得る

「最重要課題」に最大限に時間を投下する

・ごくわずかな最重要タスクを明確にし、最優先で取り組む
・「情報の洪水」が侵入してこない環境を整え、静かに考える時間をつくる
・最優先の作業から少し離れる時間を予定に組み込む