置かれた場所で咲きなさい

発刊
2012年4月25日
ページ数
159ページ
読了目安
74分
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悩んだ時にはこれを読んでみよう
85歳になるノートルダム清心学園理事長が、これまでの人生で学んだ教えを語っている本。ノートルダム修道女会に入りアメリカに派遣され、帰国後36歳でノートルダム清心女子大学の学長となった著者。多くの苦労をし、多くの生徒たちを見続けてきた人生において、得た教えとは何か。

カトリックの精神にのっとった、今悩める人たちへのメッセージ。

置かれた場所で咲きなさい

置かれた場に不平不満を持ち、他人の出方で幸せになったり不幸せになったりしては、環境の奴隷でしかない。どんなところに置かれても、そこで環境の主人となり自分の花を咲かせよう。

咲くということは、仕方がないと諦めることではない。それは自分が笑顔で幸せに生き、周囲の人々も幸せにすることによって、神が、あなたをここにお植えになったのは間違いでなかったと、証明することなのです。

どうしても咲けない時もある。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。

人は一人だけでは生きてゆけない

人間は不完全で弱い者だから、すべてを自分一人でやり遂げることは不可能で、他人に委ねる部分、頼んでしてもらうことが必要です。委ねるに際して大切なことは次の3つ。

①相手を信頼しなければならない
②「丸投げ」せず、要所でチェックして、委ねっ放しでないことを相手にわからせる
③結果が良かった時は、その人の功績とし、悪かった時は自分が悪者となる

苦しい峠でも必ず、下り坂になる

現状よりもよくなる状態を「発展」と呼ぶのだとすれば、少なくとも人生においては、順風満帆の生活からよりも、山あり、谷ありの人生、失敗もあれば挫折も味わう、苦労の多い人生から立ち上がる時の方が、発展の可能性がある。

死にたいと思うほどに苦しい時、「苦しいから、もうちょっと生きてみよう」とつぶやこう。苦しみの峠にいる時、そこからは必ず下り坂になる。

神は力に余る試練を与えない

人が生きていくということは、様々な悩みを抱えるということ。悩みのない人生などあり得ないし、思うがままにならないのは当たり前のことです。悩むからこそ人間でいられる。

ただし悩みの中には、変えられないものと変えられるものがある。変えられない現実はどうしようもない。無理に変えようとすれば、心は疲れ果ててしまう。ならば、その悩みに対する心の持ちようを変えてみること。そうすることで、たとえ悩みは消えなくとも、きっと生きる勇気が芽生えるはず。

美しく生きよう

マザー・テレサが初めて日本に来られた時、一番びっくりしたのは「きれいさ」だったと言われた。街並、建物、服装のすべて。しかし、こうも言われた。「きれいな家の中に、親子の会話、夫婦のいたわり合い、ほほえみがないとしたら、インドの小屋の中で仲睦まじく暮らす家族の方が豊かです」

「きれいさ」はお金で買える。美しさは買えない。それは、自分の生き方の気高さ、抑制ある態度、他人への思いやりの深さ、つまり、心の輝きとして培われてゆくものなのです。