業界破壊企業 第二のGAFAを狙う革新者たち

発刊
2020年5月19日
ページ数
248ページ
読了目安
274分
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新しい事業を立ち上げるための着眼点
イノベーションの型を分類し、新規事業を立ち上げるヒントをまとめた一冊。シリコンバレーを中心としたスタートアップの事例を20社以上挙げながら、新しいビジネスのポイントを紹介しています。

破壊的イノベーションを見るポイント

多くの場合、破壊的なイノベーションは、既存顧客が興味を持たないニッチな分野から生まれる。新興勢力が持ち込む収益性の低い技術は、既存の大手企業にはオモチャのように見えるが、時間と共に立場が逆転し、新興勢力が新たな覇者となる。

 

破壊的イノベーションは、次の2つの種類に分けられる。

①価値創造タイプ(新市場型:新しい市場に、新しい価値を提供しているもの)

②価値破壊タイプ(ローエンド型:既存の市場で、コストダウンを実現しているもの)

 

さらに破壊的イノベーションは、何によって起こしているのかというイノベーションの源泉によって、次の3つに分類される。

①プラットフォーム型(プラットフォームで需要と供給をつなぐもの)

需要と供給を直接つなぐ。需要サイドと供給サイドのバランスを合わせる難しさがある。そのため「需要サイド」か「供給サイド」のどちらか一方のユーザーをあらかじめ持っていて、それを他方に組み合わせるというビジネス発想が現実的になっている。

ex. Uber(価値破壊型)、Airbnb(価値創造型)

 

②ビジネスモデル型(ビジネスモデルで常識を超えた顧客体験を生むもの)

ビジネスモデルを変えることで、新しい顧客体験を生む。どの部分をどのように変えるかは、4つのパターンに分類される。

  1. 顧客の特化 ex.Amazon
  2. 顧客体験のシンプル化 ex.IKEA、Paypal
  3. コストのフリー化 ex.YouTube
  4. コストのサブスク化 ex.Spotify

 

③テクノロジー型(模倣しにくい独自の技術を強みにするもの)

他社が真似できないような技術により事業を革新する。

ex.ポケモンGO

 

プラットフォームによる業界破壊企業

・Houzz:「家を建てたい人」「リフォームしたい人」と「住まいの専門家」をつなぐ

・SoFi:卒業生が学校の後輩に学生ローンを個人で貸すP2Pレンディング

・Convoy:トラック版Uber

・DoorDash:飲食店、在宅顧客、配送者をマッチングするオンライン宅配

・Opendoor:30日以内なら返金可、2年間の修繕保証付の不動産オンライン買取販売

 

ビジネスモデルによる業界破壊企業

・Coursera:スタンフォード大学の講義など質の高いコンテンツを安価に提供するオンライン教育

・Progyny:不妊治療サービスを会社の福利厚生として提供

・Peloton:大型モニター付きバイクで、動画を見ながらクラスを受講するサブスク

・Ellevest:顧客を女性に絞った資産運用サービス

・Casper:100日間トライアル付、10年保証付のオンライン寝具販売

 

テクノロジーによる業界破壊企業

・Indigo Ag:微生物を利用した農作物の収穫量増加支援サービス

・Lanza Tech:微生物を利用し、排気ガスからエタノールを生成するサービス

・Apeel Sciences:農作物の鮮度を長持ちさせるためパウダーでコーティングするスプレー販売

・Phononic:半導体の吸熱効果を利用した冷却機器製造

・Impossible Foods:植物由来の素材を用いた人工肉製造