SUPER MTG スーパー・ミーティング

発刊
2020年1月29日
ページ数
303ページ
読了目安
349分
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ミーティングの質を劇的に改善するメソッド
ミーティングの生産性を効果的に高める様々なメソッドを紹介している一冊。単純に会議を減らすのではなく、科学的な見地から、会議の質を高める方法が書かれています。

ミーティングが多すぎる

ミーティングはとにかく時間を食う。個人の時間も、組織の時間も奪われる。アメリカでは1日に5500万回のミーティングが行われている。調査によると、平社員の場合、平均して1週間に8回、マネージャー職は12回ミーティングに出席している。企業リーダーになると労働時間の56%をミーティングに費やしている。出席者が増え、出席者の役職が上がり、所要時間が長くなると、ミーティングにかかる費用は劇的に増加する。これら出席者の時給で換算すると、年間で1兆4000億ドル。これは2014年のアメリカのGDPの8.2%に相当する。

直接的なコストだけでなく、非生産的なミーティングを行うと、各種の間接コストが発生する。機会損失、従業員の不満などの心理的なコストがかかっている。にも関わらず、ミーティングの費用対効果を分析している企業はほとんどいない。

悪いMTGのサイン

ミーティングスキルを磨くには、まずミーティングの実態を知ること。以下のような現象に心当たりがあれば、すぐに改善の努力を始めるべきである。

・出席者がずっとスマホを見て他の作業をしている
・出席者が関係のない雑談をすることが多い
・ほぼリーダーばかりが発言している
・1、2人の出席者が発言を独占している

リーダーがやるべき仕事

ミーティングで理想とされるリーダーは、先頭に立って引っ張るタイプではなく、チームのサポートに徹する「サーバント・リーダー」と呼ばれるタイプだ。他者の成長を助けることを目指すリーダーだ。ミーティングで大切なのは、リーダーの自己満足ではなく「すべての出席者にとって価値のある時間にすること」である。リーダーがミーティングでやるべき仕事は次の通り。

①タイムマネジメント
時間の経過を観察し、大きな目標を念頭に置きながら適切な時間配分をする。きちんとした話し合いが必要条件であれば、次のミーティングに持ち越す。

②アクティブリスニング(積極的傾聴)
メンバーの発言を要約したり、内容をわかりやすく言い換えたりして、常に現時点での状況を明確にする。メンバーの意見を取り入れ、出席者の全員がミーティングのプロセスと、現時点の議題を正しく理解するようにする。

③コンフリクトマネジメント(衝突を管理する)
アイデアへの反論を促し、健全な議論が行われるようにする。反対意見を言いやすい環境を確立し、ディベートを歓迎する。

④能動的な参加を促す
メンバーが発言しやすい環境を作る。「言いたいことがありそうな人」を見つけたら、必ず発言を促すようにする。誰か1人の出席者が発言を独占しないようにする。

⑤合意を目指す
「そろそろ結論を出せるだろうか」といった発言で、合意に到達できる状態かどうか判断する。但し、準備ができていない人にプレッシャーをかけない。

ミーティング時間を短縮する

ある作業にかかる時間は、その作業のために使える時間と等しくなる。この現象はいたるところで観察されている。人間は意識的にせよ、無意識にせよ、空白を埋めるという習性がある。ミーティングの時間が60分と決まっていれば、どんな中身であっても60分かかる。つまり、時間を短くすれば、その時間内に終わらせようとするので、出席者の集中力が高まって効率が上がると考えられる。

適正な時間が決まったら、今度はそこから5〜10%ほど短くすることを考える。グーグルでは「50/25」が導入された。これは1時間のミーティングを50分に、30分のミーティングを25分にそれぞれ短縮するという意味だ。