AI化する銀行

発刊
2017年12月20日
ページ数
193ページ
読了目安
170分
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推薦者

銀行員の大リストラ時代がやってくるのか
銀行の様々な業務にAIが導入されている。現在、AIの活用が進んでいる業務を紹介しながら、今後、銀行員はITリテラシーを身につけなければ生き残れないと説く一冊。

銀行業務はAIに切り替わる

ゴールドマン・サックスでは、2000年には600人いたトレーダーが次々にAIへと置き換えられ、2016年現在で残っている人間のトレーダーは2人となった。

こうしたAI実用化は、海外の特別な事例ではなく、日本の銀行でも急速に進んでいる。2015年にIBMのワトソンがみずほ銀行に導入されたのを皮切りに、2016年には大手を中心に銀行各社が本格的にAIの導入を開始した。わずか3年という短期間だけでも、AIに切り替わった銀行業務は増加しており、今後もこの傾向は続くと予想される。

金融業界においてAIの活用が進んでいる業務

①ヘッジファンド
ファンドマネージャーの業務をAIで自動化・効率化する事例が海外では多数出てきている。

②トレーディング
トレーダーの仕事をAIが代替する事例が、海外では多数出てきている。

③不正防止
従来、トレーダーの不正を防止するために、監査人を配置してきた。しかし、トレーダーの数に比べて監査人は少なく、膨大な数の取引から不正を摘発するのは困難な作業となっていた。取引の傾向から不正のパターンを見つけ出し、不正取引を効率的に見つけ出すためにAIが活用され始めている。

④アンチマネーロンダリング
反社会勢力、テロ組織等によるマネーロンダリングへの対策をアンチマネーロンダリングという。不正送金や不正融資には一定のパターンがあり、それを見つけ出す専門家がいるが、多数の取引の中からすべてを見つけ出すのは難しく、効率化のためにAIが活用され始めている。

⑤情報収集
クオンツ運用では、数学的技術である金融工学を積極的に導入し、市場データや経済データをコンピュータで分析して数理モデルを作る。そのモデルを活用して利益を上げる手法であるため主に数値データを分析するが、金融市場に影響を与えるデータは数値データだけではない。ニュースや雑誌記事などのテキストデータも大きな影響力を持っている。従来、大量のテキストデータを格納したデータベースを、ITを使って人手で分析していたが、AIで自動的に有用な情報を取り出す事例が出てきている。

⑥ロボットアドバイザー
投資信託では、個人投資家向けに最適なポートフォリオを提案するが、これをAIに代替させる事例が増えてきている。この提案を実行するAIが、ロボットアドバイザーである。いくつかの質問に答えると、複数のポートフォリオが提案されるようになっている。

⑦融資サービス
これまで、融資サービスは知識・技術が必要な業務で、属人的な仕事の1つだったが、AIが代替する事例が出始めている。法人向け融資でもAIを活用する事例が出てきている。

⑧接客業務
窓口業務の一部をPepperなどの人型ロボットで代替する動きが出てきている。人型ロボットはクラウド上に存在するAIと接続され、自然な会話の仕方や質疑応答を日々学習している。

⑨問い合わせ対応
コールセンター業務はAIでの自動化が進んでいる。単純業務に関しては、人間のオペレーターを介さずに完了するようになってきている。

⑩高度な情報提供
外貨予測といった高度な情報の提供にあたっては、専門家の知識や技術が不可欠だった。かつては高額な対価をもらって提供していた情報を、AIを導入することで、今では無償で提供する動きが出始めている。