ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち

発刊
2018年2月23日
ページ数
296ページ
読了目安
319分
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これから求められる人材になるための方法
Googleで人材育成や組織開発に携わってきた著者が、これからの時代に活躍する人の条件、成功の定義を語っている一冊。従来の固定化されたキャリアではなく、新しい価値を生み出す人として、いかに自分を成長させていけばいいのかが紹介されています。

オールドエリートからニューエリートの時代へ

従来型のオールドエリートは、固定化された「地位」みたいなものだった。有名大学を卒業したら、学歴エリートとして「〇〇大学卒」という肩書きのもとに生き続ける。一部上場の大手企業に就職すれば、エリート社員として居続けられる、という具合である。これは裏を返せば、オールドエリートには成長の余地はないということ。

これからの時代をリードする人には、もっと違う定義づけができるはずである。重要なのは「今どこにいるか」という地位よりも、元いた場所と今いる場所に差があるということ。つまり、成功の定義は「持続的に成長していること」である。例えば、会社員だった人が努力の末に起業の夢を実現したら、それがどれだけ些細なものであっても、見上げるような成功である。こうした人を、ニューエリートと定義する。

すでに資本主義社会は終焉を迎え、ポスト資本主義社会が到来しつつある。これからの時代をリードする人は、ポスト資本主義の世界の仕組みを作る人たちである。

情熱、創造性、率先が求められる

これからの働き方のステージは、クリエイティブエコノミーである。そしてこの時代に生き残る人材や企業は、ゼロから新しい価値を生み出す人々であり、彼らに求められるのは、情熱、創造性、率先である。

自分にしかできない仕事を作り出し、新規事業や社内起業などで成功している人たちは、会社という枠組みを越えて活躍できる人材である。新しい価値を生み出すために必要なのは「初心者のマインドセット」である。初心者は、業界のルールや慣習・規則にとらわれない、常識破りの発想をしてくれる。キャリアを考える時も、狭い業界内の発想にとらわれずに、自分のスキルをどのように活かせるのか、広い視野で考えるべきである。

「見たい世界」を創る

これからの時代をリードする人材は、「こういう世界を描きたい」という確かなビジョンを持っている。その世界を作るために、自分がやるべきこと、ミッションを探し出し、そのミッションを果たしていく。

ビジョンは実現しやすいかどうかよりも、実現しようとする意志の強さが重要である。ビジョンを実現したいというエネルギーがあれば、賛同する人は必ず現れる。ビジョン、ミッションが明確で、それを実現させるためのパッションを持っている人は、確実に結果を出す。

大きなビジョンを実現させようとする人は、周囲の人たちを巻き込んでいく。「見たい世界」を魅力的に表現して、周りの人たちに共感してもらい、仲間を増やしていく。

これからの成功者の定義

今の時代の成功とは、持続的に成長していることに加えて、「選択肢があるかどうか」である。今のところ選択肢の多さは、時間とお金に比例しているが、この先ずっとこの状態が続くとは限らない。なぜなら、時間とお金の必要度が大きく変わり始めているからである。新しい事業を起こす時、ちゃんとしたビジョンやパッションがあれば、仲間も技術も、資源すら集まってくることが起きている。人の輪が選択肢を生み出してくれる。

正しいことをしている人は、お金を求めて動く訳ではない。皆から支持されるので結果的にお金が集まってくるだけ。だから、お金が儲かるかどうかは無関係である。多くの人たちから正しいと支持されれば、それが正しい道となる。自分の時間を使って正しい道に集中している人、そこで圧倒的なインパクトを生み出せる人こそが、これからの成功者である。