没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術

発刊
2018年2月24日
ページ数
208ページ
読了目安
148分
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没頭して幸福度を高める方法
何かに没頭できることは幸福なことである。人生において「何かつまらない」と思っている人に、没頭するための方法を紹介している一冊。

没頭は幸福度を高める

ポジティブ心理学では、人の幸福度を「快楽(ポジティブ感情)」「意味(意味・意義)」「没頭(エンゲージメント)」という3つの要素に分けて分析している。

①快楽:楽しかったり心地よいと感じること
②意味:「有意義な人生を送る」ということ。何か自分よりも大きな存在に属して仕えること。
③没頭:時間を忘れてしまうくらいの強烈な集中状態にあること。

「没頭」は「フロー」という言葉でも言い表される。研究によれば。「没頭」できる人の方が、できない人よりも幸福度が高いとされている。

没頭するための条件

フロー状態を構成する要素には、次の8つがある。

①ゴールとルールがはっきりしていて、フィードバックが早いこと
②目の前のことに100%集中していること
③無意識に体を動かしていること
④自分というものをなくしていること
⑤時間の感覚がなくなっていること
⑥その場の状況を自分でコントロールできていること
⑦その行動自体が目的になっていること
⑧自分の持っているスキルと課題のバランスが取れていること

これらの条件の内、①と⑥と⑧は「没頭するための外的要因」であり、反対にそれ以外は「没頭している時の状態や結果」である。だから、「没頭する仕組み」について考える時に重要なのは、①と⑥と⑧である。

没頭するためのコツ

①自分なりのルールを決める
自分にとってゴールやルールがはっきりしない状況に置かれた場合、自分でそれらを見つけることがすごく重要である。だから、没頭するためには「自分なりのルールを決める」というのが大切である。

②結果が得られるまでのスパンを短くする
フィードバックが早いというのは、自分がやったことに対する結論がすぐわかるということ。「やったことが成功か失敗か、一発でわかること」も、没頭するための重要な条件の1つである。だから、没頭するために「結果が得られるまでのスパンを短くする」ことが大切である。

フィードバックが早いものには没頭しやすい。これは、没頭するための要素「その場の状況を自分でコントロールできている」ということにもつながる。

③自分の持っているスキルの4%上を目指す
自分にとって、すごく簡単な行為は退屈してしまって深い没頭は訪れない。反対に、自分のスキルと比べてすごく難しい行為にチャレンジしても、不安が勝ちすぎて夢中になれない。エクストリームスポーツの世界では、自分のスキルより4%難しいことに挑戦する時が、一番フローに入りやすいと言われている。

少し背伸びが必要だけれど、絶対にできないとは思わない程度の難易度。その程度のチャレンジが一番没頭しやすい。

没頭するための3ステップ

没頭するためには、次の3ステップが必要である。

①まずはストレスをかける(不安)
②次に一気にリラックス(開き直り)
③目の前のやるべき行為に集中する(没頭)

没頭するためには不安が不可欠である。不安というものは、自分にとって価値があるものに対して生まれる。そして、そこに立ち向かわないと没頭は訪れない。「不安は没頭への入り口」と思えば、後はもう開き直るだけでいい。そう考えれば不安や絶望を飼いならすことができるはずである。そして、開き直るとは決断でもあるので、不安から没頭へたどり着くには行動しかない。