曽祖母の投資スタイル
独自の投資ルールを作り上げられた背景には、優れた投資家だった曽祖母からの強い影響がある。大正生まれの曽祖母は、家族の生活や家業を裏で支える一方、家計や家業で出た余裕資金を株で運用。投資残高は、最も多い時で3億円にも達していた。
曽祖母は「長く持っていて損をしない」と決めた株だけを買い、一度買ったらほとんど売ることはなかった。ルーティーンを大切にする人で、株価が上がったタイミングで売り抜けたり、逆に株価が下がったら慌てて売却したりするのではなく、「買うべき株をじっくり検討し、一度買ったら慌てず長期で持ち続ける」という投資の「型」を確立していた。
曽祖母にとって、投資は「自分が儲けるためのもの」ではなく、あくまで「未来の家族」が困らないようにするための手段だったのである。
たこやき流投資のルール
①物価上昇時代には何もしないことがリスク
日本では今、概ね年3%ずつ物価が上昇しているため、現金の価値は目減りしていく。物価上昇の時代には、何もしないと資産が目減りするリスクを避けられない。
②業績が安定している大企業の株を長期にわたって保有し続ける
多くの先進国において、長期で見れば、株式市場全体は拡大する。業績が安定し、株価の変動が少ない大企業であるほど、株価は市場全体の動きに近いものになる。株で損をしないための最大のルールは、業績が安定している大企業の株を長期にわたって保有し続けることと言える。
③10銘柄前後(8〜16銘柄)の株を長期保有する
保有する銘柄が少なすぎると、特定の株が暴落した時に資産が大きく目減りする。リスク分散のためには多くの銘柄を持ちたい一方、限られた時間の中で管理できる株数は限られる。10銘柄程度を保有しておけば、その内1つの株価が半分に下落しても、影響は全体の5%で済む。
④株の売買は月1回。保有株の内、最も株価が下がった1銘柄を買い足す
保有する銘柄を決めたら、基本的にはその株式を保有し続ける。毎月1回、保有している銘柄の内、持っている株の時価総額を比べて、その時点で最も低くなっている1銘柄を買う。買う金額は、あらかじめ決めた毎月同じ額と、保有している株からその月に得られた配当の合計とする。
⑤10年以上の連続増配株を狙う
売買による利益は狙わず、配当を重視する。長期間にわたり連続増配が続いている企業は、単に業績が堅調なだけでなく、配当を重視しており、ちょっとやそっとのことでは配当が滞らない。連続増配株を保有しておけば、かなり高い確率で前年並み以上の配当を予測できる。10年以上の連続増配株を狙うといい。
⑥米国株を買う
米国株は20年の長期で見れば、確実に株式市場が成長してきた実績がある。さらに米国株は、投資先を選ぶ際の選択肢が多く、10年以上の連続増配株は、米国株には500社以上ある。
⑦為替相場のことは考えない
為替の影響を受けるのは日本株も同じ。為替相場のことはあえて一切考えず、ルール通り月1回、円をドルに替え、米国株を買う。
⑧PERが高すぎる株への投資は避ける
投資家の期待が大きいと、株価は実際の業績以上に高くなる。PER(株価収益率)の平均値は、米国株の代表的な銘柄であるS&P500で20程度、日本株で15程度と言われている。PERが全体の平均を上回っている場合は割高になっていると考えていい。大切なのは人気や注目度に惑わされず、本当に価値のある株を、適正な株価で淡々と買い続けることである。
⑨EPSが3年連続マイナスになった株は迷わず全て売却する
連続増配がストップした株は株価が大幅に下落するので、その時点で売却すると大幅な損失につながる。だからこそ、連続増配がストップする兆しにいち早く気づいて売却する。そのためにEPS (1株当たり純利益)に注目し、数年単位でEPSが下落傾向にあったり、赤字を出している企業には注意する。決算時にEPSを調べ、3年連続で前年を下回ったら連続増配ストップの兆しと捉えてその株は全量即座に売却する。
⑩あらかじめ決めた条件を満たしたら売却する
企業の存続に関わるような不足の事態が起きても慌てない。あらかじめ決めた条件を満たしたなら、ルール通りに売却する。