常勝キャプテンの法則――スポーツに学ぶ最強のリーダー

発刊
2018年3月20日
ページ数
392ページ
読了目安
705分
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スポーツ史上最高のチームのキャプテンの共通点
野球、サッカー、バレーボールなど37競技の常勝軍団を徹底調査し、世界一のチームを率いたキャプテンたちに共通する点を紹介している一冊。

史上最高のチームはキャプテンが作り上げる

チームの成功は所属する人材いかんだ、という意見がある。しかし、スポーツ史上最高のチームには、多くのスターや優れたアスリートがいたところもあるが、どちらもいないチームもあった。また、一流のチームでは、監督が特殊な天才であるに決まっている、という意見がある。しかし、史上最高のチームに、それは全く当てはまらなかった。

多少の魔法を持っている監督はいる。彼らは革新的な戦術でゲームを再構築し、どんな個人よりも強力な文化をつくり、意志の力とはいかずとも、言葉を使って人を動かし、目覚ましい働きをさせる能力を示してきた。但し、スポーツの世界でそうした監督たちが最大の成功をおさめたのは、フィールドで自分の代理を務める選手がいた時だけだ。そのパートナーシップを組んだ相手はキャプテンだった。

エリートキャプテンに共通する7つの特徴

スポーツ史上最高のチームのキャプテンには、7つの共通点があった。

①試合中の並外れた粘り強さと集中力
史上最高のチームのキャプテンは、不撓不屈の心で能力の限界までプレーしていた。優れたアスリートであることは稀だったが、試合中はもちろん、コンディション調整や準備の際もずば抜けた粘り強さを見せた。そして、たとえ勝利がほぼ確実視されても戦い続けるようチームメイトにプレッシャーをかけた。

②ルールの限界に挑む攻撃的なプレー
攻撃性には、危害を加えることを目的とした「敵意的」攻撃と、やりがいのある目標を達成するために用いる「道具的」攻撃がある。史上最高のチームのキャプテンたちは度々不愉快なことをしたが、スポーツのルールの曖昧な境界線からはみ出さないようにしていた。彼らは、世間の評価よりも勝つことに関心がある。

③裏方の報われない仕事に進んで取り組む姿勢
史上最高のチームのキャプテンがスターなのは稀である。偉大なキャプテンたちは、可能な限り集団に対して姿勢を低くすることで、厳しい状況にあっても彼らを前進させる道義的な権限を得ていた。後方に位置し、他の選手にボールを渡す人物は、召使いのように見えるかもしれない。しかし、人を導く最も簡単な方法は、結局のところ、人に仕えることである。

④控えめで実践的かつ民主的なコミュニケーション方法
効果的なチームは、メンバー同士が話をする。彼らは民主的に、一人ずつ交代で話し手を務める。こうしたチームのリーダーは広く動き回り、全員と熱く精力的に対話していた。史上最高のチームにも、話好きの文化があって、その文化を育み、維持していたのがキャプテンだった。

⑤言葉ではなく熱意を見せて他者を動かす
史上最高のチームのキャプテンは、大事な試合の最中や直前に劇的で、奇妙な、時に恐ろしいことをやってのけた。それらは、言葉は関与しておらず、意図的だった。彼らは皆、実践的コミュニケーションだけでは足りない状況があることを理解していた。

⑥確固たる信念と孤立する勇気
史上最高のチームのキャプテンは、単に反発し、意を唱え、亀裂を生じさせるのではない。これを日常的に行なっていた。彼らは、チームメイトを経営陣から守るため、あるいはチームの悪いところを実際に指摘するために、衝突を起こす。

⑦完璧な感情のコントロール
史上最高のチームのキャプテンは、全員、強力な負の感情を引き起こす問題に直面していた。負傷、叱責、個人的な不幸、政治的に不平等な風土などだ。彼らは挫折の中でプレーを続けただけでなく、ずば抜けた働きをしてみせた。チームに尽くすために有害な感情を遮断した。