ロジカルシンキングのメリット
ロジカルシンキングとは、様々な情報を根拠として解釈し、結論を導き出す考え方である。ロジカルシンキングを身につけると、次の2つのメリットがある。
①自分の考えが相手に伝わりやすくなる。
②問題が起きた原因を整理できるようになり、解決につながる
ロジカルシンキングに有効な2つのツール
ロジカルシンキングに有効な手法として、次の2つの思考のツールがある。
①演繹的思考法
既にある前提やルールに対して、新たに手に入れた情報を当てはめることで結論を導き出す。
②帰納的思考法
複数の事象をもとに結論を導き出す。
いずれの手法も前提や元となっている情報が間違っていると、間違った結論が導き出されるため、元々の情報が正しいのかという観点を忘れないことが大切である。
ロジカルシンキングに必要な5つのステップ
①イシューを特定するイシューとは「今考え、結論を出すべき問題」のこと。適切に「考える」ためには、まず何について考えるのか、課題を明確にしなければならない。行動する前に「今、自分は何を考えるべきなのか?」というイシューが特定できていないと、思わぬ間違いや時間のロスをしてしまうことがある。イシューを特定する時は、その時の状況から見えていることだけを判断材料にしていないかどうか、自問して確認することが大切である。
②枠組みを考える
何かを主張する時には、それを支える根拠が必要である。イシューに対して主張/結論を言うために考えるべきポイント、つまり根拠をまとめたものを「枠組み」と言う。枠組みは3つを目安に考え、「ロジックツリー」というツールを使うと便利である。
枠組みを考える時には、ビジネスフレームワークが使えないかを検討してみるといい。3C(顧客、自社、競合)、4P(製品、価格、販売場所、宣伝)、AMTUL(認知、記憶、テスト、繰り返し、固定客)
議題を解決するために関連性の強いビジネスフレームワークが使えない場合、自分自身で作る必要がある。その場合には「分解」(全体を要素ごとに細かく分ける)が必要である。
・層別分解(構成要素+構成要素=全体)
・変数分解(単価×来店数×購入率=売上)
・プロセス分解(原材料→仕掛品→完成品)
・判断要件分解(品質×価格×納期)
いずれ場合でも、分解は全体を「MECE」(モレなく、ダブりなく)の構成要素に分けることが大切である。
③初期仮説を立てる
今自分の知っている情報や経験からイシューに対する仮の答えを組み立て、推測することを「初期仮説」と言う。イシューに対する答えを根拠から探すのではなく、先に答えを想定した上で、それに必要な根拠となる情報を探す。
初期仮説は、誰かに話して言葉にしたり、書き出すことで自分が考えている仮説がより明確に形となり、また何を考えるべきなのかがブレなくなる。初期仮説を立てる時には、次の3点に注意する。
・「BIG WORD」になっていないか
・根拠によって支えられているか
・隠れた前提はないか
④初期仮説を検証し進化させる
初期仮説を立てた後には、必ず「他に考えられる仮説はないのか」と問い直すことが重要である。直感や思いつきだけで仮説を作ってしまったり、大事なことを見落としてしまうことを防ぐために仮説を広げる。その際には、分解を使って、多面的な視点を得る。
⑤結論づける
結論づけは次の2ステップで行う。
1. 枠組みごとの結論を出す
2. その枠組みごとの結論を統合し、イシューへの答えを導き出す