時間についての不安
「大切なことをするための時間が足りない」「何だかわからないけど今すぐやるべきことがある」といった、時間について感じているモヤモヤした感覚を「時間不安」と呼ぶ。不安の原因は、次の2つに分けられる。
- 人生全体の問題:人生の時間が過ぎ去っていく。
- 日々の問題:1日の時間が足りない。
こうした不安を感じている人は、優柔不断になりがちで、「次に何をすればいいのだろう」という漠然とした問いに対して、答えが見つけられずにストレスを感じてしまう。
時間についての不安は、過去、現在、未来という3つの時間がすべて対象になる。
- 過去:あの時、他のことをすればよかった。
- 現在:今、何をしたらいいのかわからない。
- 未来:この先、どうなるかが心配だ。
誰もが時間が過ぎていくことへの恐怖や、時間の使い方への不安に悩まされている。時間に不安を感じていると、いつも心が落ち着かず、「何かが正しくない」という感覚が絶えず心の奥にある。
「時間が足りない」という不安から脱する
忙しい生活の中でも時間を多く使うための方法には以下のものがある。
- 物事を完璧にやろうとしない。
- 「途中でやめるという選択肢もある」ことを意識する。
- 常に最終的な目標を念頭に置き、「どこまでやれば十分か」を判断する。
これらの方法を実践することで、大きな決断を下し、「自分の時間をどう過ごしたいのか」をじっくりと考える余裕が生まれる。
時間管理ができない自分を責めない
タイム・ブラインドネスとは、時間の感覚が不安定で、時間の経過や締め切りを実感として把握しにくい特性だ。これは遅刻や先延ばし不安につながることが多い。そして、時間をうまく管理できないと不安は増す。
だが、自分に時間を実際以上に短く見積もったり、時間感覚を簡単に失ってしまったりする傾向があることを理解すれば、仕事や生活のパターンを少し変えるだけで、その影響を和らげられる。
- あちこちに時計を設置し、時間を目に見えやすくする
- タイマー、アラーム、カレンダーを「外部脳」として効果的に使う
- 「音楽再生リスト」や「ビジュアルタイマー」など、自然に時間を意識できるようにする
- 「時間泥棒」に注意する
- 「無意味な先延ばし」をしていないかを注意する
「時間は管理できる」と思うのをやめる
タイムマネジメントは、時間不安に対処できるものではない。いくら時間を管理しても、今日1日、あるいは人生全体の時間が足りないという感覚からは逃れられない。だからこそ、発想を大きく変えて、時間を管理しようとすることが、逆に自分の足かせになっていると考えること。
タイムマネジメントの代わりとなる考え方が「ラディカル・アクセプタンス(根本的受容)」だ。「どんな人生でも、ある程度の痛みは避けられない。しかし、苦しみは避けられない痛みに抵抗しようとすることで初めて生じる」という考え方である。つまり、外の世界から受ける痛みそのものは、コントロールできないが、苦しまないことは選択できる。
時間の経過に抵抗するのをやめることで、残りの人生をずっと幸せに過ごせるようになる。時間の経過には抗えないという事実を受け入れることで、これまで時間との戦いに費やしていた精神的・感情的なエネルギーを解放し、もっと有意義なものに振り向けられるようになる。
- 現在への集中:今この瞬間を生き、生活の質や人間関係を向上させられるようになる
- 判断力の向上:強迫観念から解放され、クリアな心で、時間の使い方についてより良い判断や選択ができる
「途中でやめること」も正解
私たちは「始めたことはすべて最後までやり遂げるべき」という考え方を、ほとんど無意識の内に受け入れてしまっている。しかし、実際には途中でやめても問題がないことはたくさんある。つまらない、役に立たないと思える状況があり、そこから途中で離れればもっと有意義な時間を過ごせると思うなら、積極的にそうすること。これは、本やテレビ番組だけでなく、退屈なパーティー、非生産的な会議など、様々な状況で応用できる。
途中で何かをやめられれば「時間が増える」「大きな自由を味わえる」という2つのメリットを多く体験できるようになる。
「本当に楽しい」と思えることを探す
時間が過ぎ去っていくことが大変なことに思える理由は、現代社会には「何らかの行動をするからには、そこに何らかの有益性が伴わなければならない」という考え方があるからだ。そのため、私たちは、目標の達成や良好な人間関係に役立たない何かをすることに、違和感や居心地の悪さを覚える。
もっと幸せになり、不安を減らすためには「生きている」という実感を味わえることに意識を向けるといい。1日を通して自分の行動にもっと注意を払うように努めるのと同じように、生き生きとした気持ちになる瞬間に注意を向けること。「やりたいこと」をすると、「生きている」と強く実感できる。