読書法の全体像
「本を読む」行為は、3つに分解される。
- Why(なぜ読むのか=目的)
- What(何を読むのか=選書)
- How(どう読むのか=読み方)
読書の要となるのは「Why(読む目的)」であり、これに連動して「What(選書)」と「How(読み方)」が決まる。
「Why(読む目的)」 は、直近のアウトプットが必要かどうかで判断し、以下のステップを順番に踏んでいく。
- 記憶・記録:意見を形成するために素材を集める
- 意見の形成:著者の意見や見解に対して、自分の知識や経験を紐付け、自分自身の見解を作る
- 意見の表現:書くこと、話すこととしてアプトプットする
以上のことから読書の全体の流れは、次の3つにまとめられる。
- 本を読む目的を決める
- 読む本と読む方法を決める
- アウトプットする
読書の目的を考える
「Why(読書の目的)」は、「直近のアウトプットが求められるか」と「思考を伴うか」の2つの軸で整理される。
- 思考のための読書(要アウトプット×思考を伴う):概説書、専門書、抽象的な理論など
- 情報のための読書(要アウトプット×思考を伴わない):実用書、ビジネス書、具体的な方法論など
- 教養のための読書(不要アウトプット×思考を伴う):古典など
- 娯楽のための読書(不要アウトプット×思考と伴わない):エンタメ系の本など
事前に読書の目的を言語化し、自己認識することで、読書の方針の方向性が定まり、状況にあった効果的な読書ができるようになる。読書の目的は、自分の置かれた状況に依存するため、自分で適宜判断しながら、どのように読書を進めていくか、決めることが重要である。
本を選ぶ
本を選ぶ軸は「アウトプットが求められているかどうか」である。アウトプットが必要な場合には、「未知か既知か」「具体か抽象か」の2つの軸で選ぶ。
- 入門的な原理原則を知る(未知×抽象)
- 具体から基礎を学ぶ(未知×具体)
- 具体の背景にある原理原則を知る(既知×抽象)
- 事例・方法論の収集(既知×具体)
実際に本を選ぶ方法は、大きく分けると以下の3つ。
- 人に直接訊く(身近にいるその分野に詳しい人、図書館のレファレンスサービス)
- ガイドを使う(書評・要約、ブックガイド、文献リスト)
- 自分で選ぶ
本を自分で選ぶ場合、下調べをせずに選ぶのは至難の業。以下の手順で本を調査する必要がある。
- あたりをつける:Web検索などで、テーマに関係する本を大まかに選ぶ
- 内容を確認する:タイトル、目次、著者プロフィール、まえがき、奥付を確認する
本の読み方を決める
本の読み方は「直近のアウトプットの有無」と「思考を伴うか」の2軸の組み合わせにより決める。
- スケジュールを組む(要アウトプット)
- 習慣化する(不要アウトプット)
- 最初から丹念に読む(思考を伴う)
- 必要な箇所を拾い読み(思考を伴わない)
アウトプットが求められない読書は、強制力がないので、習慣化することが重要になる。その際には、次の2点が大切である。
- 何かしらの形で本に触れておく
- 続けられない自分を責めないようにする
アウトプットが求められる読書は、時間との戦いになる。締切の期日から逆算して読書に利用できる時間を把握し、集中して読むようにする。
アウトプットする
読書で得たものを一足飛びにアウトプットにはつなげられない。まず職書の内容を整理し、その上で読書の内容と絡めて自分の意見を形成し、それをアウトプットにつなげる。
①本の内容を記憶・記録する
読んですぐに使う実践的な知識・情報は、そのまま記憶する。この時に大切なのは、大まかに内容を覚え、一字一句正確に覚えようとしないことである。手っ取り早いのは付箋を貼り、内容を思い出すきっかけにする。
一方、本を読んでもすぐに使わない知識・情報は記録してストックしておき、必要に応じて取り出せるようにしておく。読書メモを作成するとよい。メモには「書誌情報」「引用したい箇所」「自分のメモ」を書く。
②自分の意見を形成する
自分の意見を形成するには、以下の手順で進める。
- まずは感想を書いてみる:以下の4つの要素を書き出し、その要素の隙間を埋める
・感じたことを書く
・何に対してそう感じたのかを書く
・なぜそう感じたのかを書く
・気づいたことを書く - 感想を意見にブラッシュアップする:意見を形成するための仮説を立て、理由や根拠をまとめる
・論点を確認する
・仮説を立てる
・仮説を検証する
・自分の意見をまとめる - 仮説をロジックで検証する
・自分の意見を支える材料(事例、データ、理論、経験など)を集める
・ロジック(立場の明示・理由・根拠事例・結論)で材料をつなぎ合わせる - 生成AIで思考力を高める:NototebookLMを活用して、擬似的なディスカッションを行う
③意見を表現する
noteで執筆したり、読書会に参加するなど、自分の意見を発信することで、言語化する力を得る。さらに、外からフィードバックを得て、自分の思考や意見を一層磨いていく。