人生の「岐路」に立つあなたへ

発刊
2026年1月16日
ページ数
240ページ
読了目安
261分
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自分の人生に責任を持つために考え方
マイクロソフトやデロイトコンサルティングなどで海外で長く働く著者が、仕事や人生において学んできた価値観を紹介している一冊。

安定志向、完璧主義などの保守的な姿勢のメリット・デメリットなどに触れながら、自分自身で考えて、動きことの大切さを説いています。マイクロソフトなどのグローバル企業において、どのような考え方が推奨されているのかなど、多くの伝統的な日本企業とは異なる考え方が書かれています。

人生は一度きり

YOLO(You Only Live Once = 人生は一度きり)は単なる流行語ではない。「人生は一度きり」という事実は、私たちに他人の期待や評価に振り回されず、自分の心に正直に、主体的に選択し、行動することの大切さを突きつける。失敗を恐れて立ち止まるのではなく、たとえ転んでも自分で納得できる道を選び、前に進む。その積み重ねことが、後悔のない人生をつくる。

 

しかし、日本社会では「他人任せ」のキャリア設計や人生の舵取りが、依然として当たり前のように根付いている。教育や文化、商習慣の影響もあり、「安定志向」や「他人任せ」の生き方が美徳とされてきた。しかし、社会構造が大きく変化する中で、従来の価値観が通用しなくなっている。

 

安定したキャリア構築か、未知への挑戦か

「安定したキャリア構築」と「未知への挑戦」のどちらにもメリット・デメリットがある。「安定したキャリア構築」は、波乱が少ない分、成長の機会を逃してしまうかもしれない。一方、「未知への挑戦」は、これまでと異なる環境に身を置くことで大きな成長を期待できるが、苦労の多い人生を送ることになるかもしれない。

 

変化の激しい社会において「成長しなくなる」ということは、持っているスキルや知見の価値を徐々に下げ、社会における自身の可能性をどんどん狭めることを意味する。安定したキャリア環境にいると、現状維持バイアスを持ちやすい。すると知らず知らずの内に自分自身の成長や可能性を制限してしまうことがある。そうならないためには、最新情報を意識して取り入れたり、第三者に分析してもらったりして、自身の状況を見直す必要がある。

 

沈黙で安全か、発言で存在感か

日本のビジネスシーン、特に会議の場では、余計な発言をしないで、安全圏にとどまることを選ぶ人は多い。会議で発言しないでいると、存在感を示せず、常に大勢の中の1人として見られ、どれだけ仕事を頑張っていたとしても周りに伝わりにくいといったマイナス面がある。一方で、発言すると会議で存在感を示せる一方で、周りから悪目立ちしてしまう可能性もある。

 

グローバル企業の会議では、肩書きに依存するのではなく、自分の知識や経験を活かして組織に貢献することが求められている。発言しないでいると、「仕事をしていない人」「無価値な人」と見なされてしまう。逆に会議でしっかりと自分の意見を述べることで、周りから「仕事に貢献している」という印象を持ってもらえる。さらに発言を積み重ねることで、「彼は常に情報提供してくれるし、意思決定にも貢献してくれる」と周りからの期待も高まる。こうして「常にバリューを提供してくれる人」との評価が定着してくると、今後は他のプロジェクトにも声がかかるようになる。

 

会議の場だけでなく、日常のコミュニケーションやプライベートな場においても、自分の声を発信することは大切である。

 

完璧な計画か、動きながら修正か

完璧主義に基づき「完璧な計画」を立てることには、品質がいいものを作れるなどメリットがある。しかし、そのために膨大な時間と労力をかけなければならない。グローバル企業で学んだことは、「完璧な計画」に固執するのではなく、「まず行動し、現場で学びながら柔軟に修正を重ねること」が重要であるということ。そのことが仕事や人生における成功の鍵になる。

 

「動きながら修正」する姿勢をビジネスの現場で取り入れるには、「2:8の法則」という手法が使える。最初の2割の期間で、やるべきことの8割のキモとなるものを作り、残りの8割の期間でそれをブラッシュアップしていく。大切なのは、最初の段階で、素早くクライアントや上司に見せて、早い段階で意見を出し合い、意識をすり合わせることである。

 

マイクロソフトでは「Know it all」と「Learn it all」という考え方が広く普及している。「Know it all」とは、すべてを知っている、何でもわかっている状況で動くという思想。「Learn it all」とは、動きながらすべてを学んでいこうという思想である。マイクロソフトでは「Learn it all」、つまり「常に自分の知識は足りないからこそ、どんどん学び、常に進化していこう」という考え方を、社員の各々が持つべきだとされていて、マネジャーなど上に立つ人には、この思想がチーム内に浸透するようなカルチャーの醸成が求められる。

 

肩肘はらず、気になることをどんどん試していきながら、自分が心地よい場所や納得できる生き方を見つけていく。こうした「動きながら修正」する生き方こそが、より良い人生へと導いてくれる原動力になる。