失敗から学べ
私たちは「成功要因」の重要性を過大評価し、「失敗要因」の重要性を過小評価する。なぜなら、成功した人々は、メディアに取り上げてもらえるからだ。一方、挫折した人には誰も興味がない。しかし、失敗例こそ最も学びの多い場所で、避けなければならないものが何かを知ることができる。「やってはいけないこと」が何かをあらかじめわかっていれば、それをかわすことができる。
他人の過ちから学び、他人と自分の失敗例をよく研究すること。自分で取り上げたテーマに沿って、自分に合った「やってはいけないことリスト」を作成するといい。その際に「どうして失敗したのだろう?」と繰り返し自問すること。この問いかけは成功の秘訣を探す以上に重要である。
人はある日突然、不幸に見舞われる訳ではない。「小さな愚行」で始まり、それが2、3回と積み重なり、いつか雪崩のように崩れて命取りとなる。そのため、早期の修正が大切である。
やってはいけないことリスト
①困難を避ける
困難があったからこそ成功した人たちの事例は数えきれないほどある。ビジネスの世界では「挫折」は日常茶飯事だ。これまでにいくつか厳しい状況を乗り越えた経験のある人は、次に何かが起こったとしても、より冷静に対処し、すぐに取り乱したりしないだろう。これは「痛みと苦しみ」の後押しで、「回復力」が向上するからだ。「自分の快適ゾーン」の外側に出て、自らに「負荷」を与えてみること。
②1日を無計画に過ごす
成功している人たちで、1日の計画を立てていない人を知らない。しかも、彼らは1時間、または30分単位で時間を区切って予定を組む。時間を決めない「ToDoリスト」は十分とは言えない。自分自身と重要なミーティングをするかのように、1日のタスクを記録すること。重要なのは、自分が立てた計画を必ず実行することだ。やり残したことを延期しても、いつか片付けるのではなく、具体的に日にちを決めることだ。
③いつでも「はい」と返事をする
人は「時間の価値」をあまり認識していない。「未来の時間」に対しては特に鈍感だ。この価値は「機会費用」に相当する。機会費用とは、その日の同じ時間に、最大の利益を生み出す行動を選択した場合と、それ以外の行動を選択した場合とで「生み出される利益の差額」を指す。自分にとって何に価値があるかは、自分自身で決めること。自分の時間を他人に譲る前に、その時間を利用して他にどんなことができるか、自分に問いかけること。
④はじめに決めた道を突き進む
個々の職業や業界が「次の30年」でどのように発展するかは、誰も正確に予測できない。袋小路にはまらない方法は「学習マシン」になることだ。成功者たちは、誰もが新しい関連性のある知識をスポンジのように吸収しようとする。学習は知力に勝る。1つの業界に固執せず、様々な分野に挑戦すること。そして、1つの場所に落ち着いたら「能力の輪」で絶えず専門知識を掘り下げ、広げていくこと。自分が身につけている知識やスキルは疑うこと。大抵は、自分が考えているほど、広い範囲で長く使えるものではない。
⑤激戦区で戦う
人間は多くの人が求めるものを、自分も求めてしまう。賢い人間は「競争」を避ける。ウォーレン・バフェットは「人生で成功するための秘訣は、競合が少ないこと」と確信している。自分がトップになれるニッチな分野を見つけることに投資すること。
⑥人生をゴミであふれさせる
所有するものが増えたからといって、幸せの度合いが上がるわけではない。どれほど多くのものを所有したとしても、常にそれより多くを所有している人が存在する。そして、終わりない嫉妬のスパイラルにはまり込むことになる。研究でも、「もの」を買うよりも「体験」を買う方がいいことが証明されている。人生の質を決めるのは、所有しているガジェットの数ではなく、思考の質である。
⑦他人を変えようとする
自分の性格は自分の力で変えられる。但し、非常にゆっくりとしか変えられず、大変な努力を要する。他人の場合は、事情が異なる。相手の性格を変えることはできない。外部から力を加えてモチベーションを高めようとしたり、インセンティブやプレッシャーを用いたりしても無駄だ。大切なのは「人を変えることが必要な状況」に陥らないこと。人を変えようとすると、失うものしかない。
⑧嫌なやつになる
傲慢になるのは簡単で、謙虚になるのは難しい。傲慢さはしばしば成功したすぐ後に現れる。しかし、人間の成功は、ほとんどいつでも「協力の結果」として得られるものだ。私たちが成し遂げたことはすべて、何千もの他の人たちの助けがあって成し得たことだ。だから、謙虚さや優しさ、感謝、尊敬を示すことは、戦略的に有利であるだけでなく、理性的で誠実であることの表れである。エゴが小さければ小さいほど、人生はより良いものになる。