伝える準備

発刊
2025年12月19日
ページ数
137ページ
読了目安
109分
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伝える準備をすることでコミュニケーションの誤解を防ぐ
アナウンサーである著者自身が、人に伝える前に行なっている準備を紹介している一冊。

SNSに限らず、自分の発言が誰かの誤解を生むことは起こり得る。自分の言葉を発する前に、言葉を選ぶこと、選べる言葉を積み重ねておくことを通じて、コミュニケーションにおける誤解を減らす方法が書かれています。
人前で話すことが苦手な人にとって、どのように伝える準備をすればいいのかがわかります。

伝える前に伝わり方を想像する

アナウンサーは、自分の言葉がどんな印象を与えるかを精査しながら、日々、発言している。この伝える前に伝わり方を想像することが「伝える準備」である。ほんの少し伝える準備をするだけで、少なくとも自分の周りの雰囲気は変えられる。その雰囲気が各所で広がれば、批判や暴言を減らせるはずである。

 

どんな言葉を、どんなふうに使うかで、印象はつくられる。ほんのわずかな伝える準備で、自分の周りの表情が変わる。同じ意味でもひと工夫することで伝わり方が大きく変わる。ネガティブな表現を使わず、背中を押してあげるように言葉を選ぶ。言葉を選ぶ準備とは、たくさんの言葉を引き出しに集めておいて、その人にフィットする言葉を見繕い、最後に1つに絞ることである。

 

いい言葉、悪い言葉とは、言葉自体の容姿ではなく「言葉の選び方の良し悪し」に近いものである。その流れは以下の通り。

  1. 言葉選びに手間をかけられたか
  2. 選んだ結果に満足できたか
  3. その言葉は相手に伝わる力を持ったか

この中でも最初の「言葉選びの手間」が一番大切で、難しい。この手間暇こそが、相手に伝わるエネルギーを生む。

 

日記のススメ

言葉を選ぶためには、たくさんの言葉を引き出しに集めておくことが大切である。そのためには、日記を書き続けることが有効である。日記で文章を書く積み重ねが言葉選びの土台になる。

 

日記のルールは以下の通り。

①5行だけ書く

5行だけ書くことには、以下のメリットがある。

  1. すぐに書き終わる:作業がシンプルで継続できる
  2. 言葉が煮詰まってくる:できるだけ凝縮された言葉で多くの内容を表現したくなる
  3. 言葉がカラフルになる:少ないスペースで書くために「言い換え」を模索する内に、フィットする言葉に出会う

 

②ボールペンで書く

間違えたら消せないという緊張感が、言葉のチョイス能力を高めてくれる。後戻りできない筆記用具を使うことで、言葉の瞬発力も養われる。

 

③「見出しとなる内容」と「ひと手間かかった言葉」を入れる

1日24時間、すべてを文字に残すことは不可能である。そこで「見出しとなる内容」と「ひと手間かかった言葉」を入れるように心がける。それがその日を象徴する要素になる。

 

④何気ない一言を書き留めておく

涙を流すほどの感動はそんなに毎日あるものではない。しかし、何気ない一言に心が動くことは結構ある。それを書き留めておくのも、日記を書く上で重要なことである。

 

準備に力を注ぐ

企画のプレゼンテーションや企業の会見などでは、大抵その後の質問に対する「想定問答」などが準備される。その受け答えの質が、プレゼンテーションや会見の「満足度」を高め、信頼を広げていく。

これを生活に置き換えてみるといい。普段、話し慣れていない人が多くの人の前に出て、誤解や説明不足がないように発言するのは難しい。ただ、話終わった後、相手からの質問や内容の確認など、質疑応答に対して答えるのは、それほど難しいものではない。それができれば、大抵のメッセージは伝わる。話すのが苦手な人がスキルを上げられるとすればここである。

 

人前で発言するのが苦手な人が、鍛える努力をするところは2つある。

①言葉選びに力を注ぐこと

スピーチ自体を短く、エッセンスだけを伝え、早めに質疑応答に入ってしまう。その後の質疑応答まで短く終わらないように、聞いている人の頭に残るフレーズを用意する。

 

②意地悪な視点を取り入れる

話すのが苦手な人は、想定していない質問に対してパニックになりがちである。そのため、なるべく多くの質問を想定し、準備しておくことが大切である。その中に、意地悪な人だったらどう聞いてくるかという視点を入れておく。このフィルターを通しておくことで守備範囲が広がる。