孤独を生き抜く哲学

発刊
2020年4月11日
ページ数
240ページ
読了目安
244分
推薦ポイント 2P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

孤独は必ずしも悪いことではない
ネガティブなイメージがある「孤独」をポジティブなものとして捉え、人生に活かすために哲学者である著者が孤独のメリットや意義を紹介している一冊。自分の内面を見つけ直す方法として、孤独をうまく使いこなすという発想の転換が書かれています。

孤独は必ずしも悪いことではない

人は群れているだけではダメで、またネガティブな孤独にとどまっていてもダメで、最終的にはポジティブな孤独を手にしないといけない。人の生き方は、みんなでつるむことと孤独にさいなまされることの二択ではない。

一人で時間を過ごすことと孤独はイコールではない。誰といようと、どんな状態にあろうと、自分の心が孤独を感じていれば、それは孤独である。孤独は気持ちの問題だから、本当は孤独であることに悩む必要などない。孤独は悪いことではない。孤独を飼い慣らすことで、正のもの、ポジティブな孤独にすればいい。

一人だけどやりたいことがある。そのことに集中したい。そう思った瞬間、ネガティブな孤独はポジティブな孤独に転換する。

 

ポジティブな孤独とは

孤独には、割と幅がある。人によって孤独の意味も少し異なる。孤独は共感と絶望に存在する中間的な状態である。孤独との関係で人との心のつながり度合いを横軸により、その両極をそれぞれ共感と絶望というふうに定めると、次の4象限に分類される。

 

①孤高 × 絶望 = ネガティブな孤独

②孤高 × 共感 = ポジティブな孤独

③依存 × 絶望 = ネガティブな孤独

④依存 × 共感 = ネガティブな孤独

 

人と理解し合えていることを感じてる状態「共感」でありながら、一人でいることを積極的な選択として受け入れられるようになればよく、時に気楽に、時に深刻にその状態と向き合えばいい。孤独な人生を送るのか、そうでないのかは気持ち次第。一人で過ごすことをネガティブにとらえるか、ポジティブにとらえるかで意味が180度変わる。

たとえ意識的に周囲と隔絶していたとしても、その瞬間は誰も助けてくれないし、誰にも理解してもらえないかもしれない。その点では寂しい状態である。しかし、それが孤独の良さでもある。「自分という存在は結局一人である」と自覚し、だからこそ「自分でなんとかしなければならない」と自覚すること。その感覚を忘れないことが人を強くする。そして人生を楽しめる人間にする。

 

孤独の7つの効用

ポジティブな孤独には以下の効用がある。

①自分に集中できる:自分と向き合うことで様々なものが見えてくる

②本質が見えてくる:欲から離れることで物事の本質が見えるようになる

③生き方が見えてくる:他者に流されず、どう生きるべきかが見えてくる

④やるべきことが見えてくる:どう生きるかが定まれば、人生の中で何をすべきかが見えてくる

⑤幸福をもたらす:幸福にとって大事なのは心の充足。心の落ち着きはポジティブな孤独によってもたらされる

⑥むしろカッコいい:凛として生きる。自分は自分らしく生きる姿は美しい

⑦天才になれる:天才は自分自身と向き合うことで考えを確立している

 

孤独を強さに転換する方法

ポジティブな孤独を手にするためには、段階的にトレーニングすればいい。

 

①好きなことを見つける

②情報から離れる

③他人のことを気にしない

④断る

⑤一人で楽しむための方法を考える

⑥短時間一人で過ごす

⑦長時間一人で過ごす