10パターンのビジネスモデル
ビジネスモデルを考える際のポイントは次の2つ。
- 新規顧客が1年間全く増えなくても、既存顧客などによって事業の売上が毎月伸びていく状態をつくること
- 「ピボット(課題解決などのための戦略の追加)」ができること
ビジネスモデルには「型」が存在する。それぞれの「型」をうまく活用し、時には組み合わせることで、新たなビジネスをつくり上げることができる。
①販売モデル:自社でつくって売る
ポイントは「いかに販売店に在庫を持たせるのか」にある。基本的に販売モデルは、新規を止めると売上が立たなくなる。そこで有効性を発揮するのが、ピボットとして販売代理店をつくっていく戦略である。商品を取り扱うことによるメリットさえつくれれば、代理店になりたい会社が増えて、販売網を拡大することができる。
②小売モデル:仕入れて売る
ポイントは、安く仕入れて高く売ること。そして、初期の段階では在庫を抱え込まないことである。但し、スケールアップの段階に来たときは「在庫を持って、在庫を持たない」ことが重要になる。つまり、売り捌き方を最初から組んでおき、大きなロットの製品を低単価で仕入れることで、「在庫を持っているけれど、実質的に持っていない」状況をつくって利益率のアップを図る。
③広告収益モデル:利用者を増やすことで広告料を受け取る
直接の利用者からマネタイズがしにくい時、マネタイズポイントを変えるピボットができないかを考える。
④サブスクリプションモデル:月額課金型で商品やサービスを提供する
ポイントは、既存顧客を解約させないこと。サブスクを解約させないポイントの1つは、顧客満足度を上げることである。顧客満足度は「利用率」で測る。利用頻度については、ケースバイケースだが、3ヶ月に一度使われるほどのペースを目指す。人は毎日使うと飽きてしまう。
⑤レンタルモデル:商品やサービスを定められた期間だけ貸し出し、利用時間に応じて料金を受け取る
ポイントは、長く使い続けてもらえるような戦略を組むこと。
⑥従量課金型モデル:サービスや製品の使用量に基づいて、顧客への請求を行う
従量課金型のモデルにしなければ苦しくなるビジネスモデルは少なくない。特に人がいくら成果をあげても報酬が変わらないビジネスは、ピボットで従量課金型を組み込むことが必要になる場面が訪れる。
⑦フリーミアムモデル:無料と割増価格を組み合わせる
最初を無料にすることで、契約率が大幅に上がる。そのため、解約率を減らすことを指標にする。フリーミアムモデルは、サブスクと相性がいい。サービスに自信がある場合には、フリーミアムモデルが有効である。
⑧ライセンスモデル:特許権や著作権といった知的財産を二次利用させる権利を提供する
権利であるライセンスには、人や技術、サービスといったものもあれば、技術やスキルに対するものもある。原価がかからず、権利の販売によって会社の売上を大きく伸ばしてくれるため、ピボットとして活用することもできる。
⑨マッチングモデル:顧客同士をマッチングすることで紹介料を得る
集客力を高めるために特に無形のライセンスモデルにおいては、マッチングモデルは必須である。
⑩コレクションモデル:商品を部分ごとに販売し、顧客の集めたい気持ちを促すことで継続的に利益を得る
バラ売りにしてセットを集めさせるモデルであり、このようなコンテンツは少なくない。但し、マーケティングが強くなければ難しく、権威性がないとうまくいきにくい。
ビジネスモデルは、組み合わせた方がうまくいきやすくなる。問題の数だけビジネスモデルも生まれるので、たくさんのモデルを組み合わせた方が強いビジネスをつくれる。
ノンオーガニック戦略
企業が成長するための戦略は、自助努力だけを頼りにするか、他社の力を借りるかの2通りである。ノンオーガニック戦略とは、M&Aなどで他社から新しい事業、製品、サービス、技術、ノウハウ、人材などの外部資源を活用して成長する戦略のことをいう。但し、M&Aを行うには資金が必要である。そこで、M&Aをせずにどのように拡大するのかを突き詰めるのが、ノンオーガニック戦略の本質になる。
まず考えるべきは、どのような会社を買ってどのような収益構造をつくり、どういうふうに伸ばしていくのか、という戦略である。例えば、強いコンテンツを持つ会社とマーケティングに強い会社がジョイントベンチャーなどを行い、お互いがWin-Winになるという考え方が、ノンオーガニック戦略では非常に大切と言える。
ノンオーガニック戦略を成功させるには、しっかりと人間関係を構築することが大切である。人間関係さえ構築できれば価値を創造することができ、いくらでもお金は無限に生めるという考えが前提にあるため、ギブの精神も含めた人間関係の構築が欠かせない。