教室ビジネス 集客の教科書

発刊
2025年8月12日
ページ数
240ページ
読了目安
403分
推薦ポイント 2P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

生徒募集を成功させるための方法
習い事や学習塾、スクールなどの教室ビジネスで集客するための手法が体系的にまとめられている一冊。

教室ビジネスにおいて、そもそも生徒をどのように集めればいいのかを、マーケティングの基本的な知識をもとにしながら、実践的な方法が書かれています。
生徒募集を成功させるためには何が必要なのかを理解することができます。

「お客様の声」を集めて顧客の求めるものを知る

生徒の集客する秘訣は、今いる生徒から良質な「お客様の声」をとることである。新しく生徒を集めることは必要だが、そのためには見込客が何に心を動かされるかを知らなければならない。

「お客様の声」を集めると「すぐそばにいた人が、実はそんな風に思ってくれていたなんて」と驚くような発見がある。指導者目線では当たり前だと思っていることや、自分では見落としがちな点にこそ、実は見込客を振り向かせるヒントが満載である。まずは「お客様の声」を通じてその価値が何なのかを見つけ、同じものを求める人たちがいるところに向けて発信する活動こそが、教室ビジネスの新規集客の根幹となる。

 

教室ビジネスにおいて、顧客(お客様)とは以下のようになる。

子供が対象の習い事:顧客=親
大人が対象の習い事:顧客=生徒

子供が対象の習い事の場合、上手に教えるだけでなく、親が子供に「こうあって欲しい」という求める結果を知り、生徒をどうしたいのか、注文を把握することが必要である。

 

「お客様の声」は、今いる顧客への理解を深めるだけでなく、それ自体にも大きな集客効果がある。売り手の売り文句より、実際に教室に通っている人が語るリアルな声の方が、圧倒的な説得力がある。

教室にいる顧客の中から「こんな人にもっと来て欲しい」という、具体的な人物を1人選ぶこと。大事なのは、潜在的に同じような人がたくさんいそうな1人を選ぶことである。

 

「お客様の声」をよりよくする

顧客は「結果」が「欲しい」のでお金を払っている。しかし、習い事は無形の商材であるため、価値を認識しづらく、また入会した時点でリピートが確定するため、「結果」との等価交換が行われているかの確認が疎かになりがちである。特に生徒が子供の場合、結果が見えず、不満が溜まりやすいので、生徒の成長の様子を伝えたり、スマホで稽古の様子を写真に撮って、グループLINEなどで送るようにすること。こうすれば、お客様の注文内容とのズレを少なくし、生徒の継続率を高めることができる。

 

「お客様の声」を少ない人数でも威力を高めるために大事なことは「引き」と「共感」である。習う前に抱えていた問題と、習った後に得た喜びの差が大きいというギャップが「引き」になる。人は自分の課題に共感できる情報があると無視できないからである。習う前の問題と習った後の喜びの間に「低→高」と大きな高低差がある場合、その差分が見込客の心に響き、「自分もそうなりたい」と求めるエネルギーを生み出す。響くのは「低」のビフォーのところに共感があるからである。

大切なのは、顧客が習う前に抱えていた問題、そして習ったことで得た具体的な結果と喜びをしっかりと聞き出し、それを世間に伝えることである。

 

教室ビジネスの集客の基本

集客とは、ターゲットの行動によって起きることである。ターゲットに行動させるためには、次の3つの条件を揃える必要がある。

①ターゲットを定める

生徒の集客には、主に「誘う」「変える」「育てる」「導く」の4つのステージがあり、これらすべてのステージにそれぞれターゲットが存在する。

  1. 誘う:求める行動は「訪問」で、まず教室との接点を作ること。そのために広告を使って価値を伝える。
  2. 変える:求める行動は「入会」で、手紙やDMなどで、習うことによって叶う未来を実感させる。
  3. 育てる:求める行動は、指導を通じて共に価値を創造すること。
  4. 導く:求める行動は、各ステージのターゲットへの伝達。伝えるには、相手が求めていることへの共感が必須である。

 

②心を動かすメッセージがある

人は、心が動いた時に行動する。そして、ターゲットの感情を動かし、行動させる役割を担っているのはメッセージである。特に見た目は重要で、見た目が最初に人をその気にさせる。

情報を相手の心に届けるためには、相手が簡単に、その先にある将来像やメリット、課題解決などをイメージできることが必須である。イメージできる情報にするために必要なことは2つ。

  1. 相手の頭の中にある言葉を使う
  2. 写真

 

③ふさわしいメディアで届ける

狙ったターゲットにメッセージを伝えるためには、最終的に集客媒体として形に落とし込んで届けることになる。その時に利用するのがメディアである。ターゲットが普段接していないメディアを選んでもメッセージは伝わらないので、彼らに届くメディアを選ぶことが必須である。

まずはターゲットの生活動線上にあるものを選ぶ。彼らが普段、解決策を求めて情報を探しに行く場所に、メッセージが現れるようにする。もう1つは、自身の特性に合っていて、扱いやすいメディアを選ぶ。なお、多くの教室ビジネスは地域密着型であるため、チラシというメディアの特性に合っている。