「畳み人」という選択 「本当にやりたいこと」ができるようになる働き方の教科書

発刊
2020年2月27日
ページ数
234ページ
読了目安
193分
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突飛なアイデアを形にするための仕事術
アイデアを着実に実行する参謀タイプの仕事術。いかに社長やプロジェクトリーダーの突飛なアイデアを形にするか、その仕事の進め方が紹介されています。

畳み人とは

「畳み人」というのは、大風呂敷を広げたようなビジネスアイデアを、きちんとした形に畳める人というたとえを基にした造語である。経営者やプロジェクトリーダーの突飛なビジネスアイデアを着実に実行し、形にできる人のことを指す。リーダーに対する「名参謀」や「右腕」のような存在である。

社長やプロジェクトリーダーである広げ人が仕事のアイデアをゼロから生み出す「0→1の人」だとすれば、畳み人はその1を10にも100にもする。広げ人の一番近くで一緒にアイデアを組み立て、実行するためのあらゆる戦略を練り、チームを組成し育て、社内外の根回しもして、その事業全体を牽引し成功に導くのが畳み人の役割である。

やりたい仕事ができるようになるための最良のルートは、この畳み人のスキルを身につけることである。

畳み人の仕事術

①広げ人のアイデアを「はじめは」一緒に面白がる
広げ人が素晴らしいアイデアを生み出した時は、何よりもまず「共感者」を求める。だからこそ畳み人はたとえリスクを感じても、そのリスクと同等か、もしくはそれを上回る可能性を感じたのであれば、大いに面白がる。アイデアを生み出した広げ人と一緒になってそのプロジェクトを世に広めていくのが、畳み人の役割の1つである。

②アイデアの共犯者になって、軌道修正できるポジションを取る
まず、評論家ではなく賛同者を探している広げ人の想いに応えること。アイデアを出した人は最初、自分のアイデアを否定されることを拒む。反対意見や何らかの提案をしたいなら、まずは面白がって相手のアイデアの共犯者になること。

③広げ人のことを世界で一番理解する
広げ人のことを理解するために必要なのは、とにかく観察することである。広げ人の言葉に丁寧に耳を傾け、その言葉を深く理解しようとすること。さらに、なぜそのような発言をするのか、どういった考えなのかといったことを想像する。言葉に限らず、行動も含め、広げ人のすべてのアクションとその思いの裏側に想像力を働かせる。

④感情的にならず、冷静さを保つ
シンプルに「自分はチームにおいて一番冷静でいよう」と心がけることが大切である。そしてできるだけその事象を俯瞰的に捉えるようにすること。成功もトラブルも、より大きいものを経験しておくことで、冷静に判断できるようになる。

⑤全リスクを察知し、広げ人にはマクロなリスクのみ伝える
広げ人のアイデアが大きければ大きいほど、実行する際のリスクは多数存在する。しかし、広げ人がそのリスクを綿密に計算しながらアイデアを形にしていくとすると、どうしても広げた風呂敷が小さくなる。そこで、畳み人は、広げ人がアイデアを広げることに集中できるよう、広げ人に代わり様々なリスクを想定してサポートに徹する。

⑥無限の選択肢を持って、戦略を立てる
畳み人は、業務を任せたり、急なトラブルや仕事に対応するために、社内外に多くの選択肢を持っておくべきである。広げ人やチームメンバーに対して様々な道具を提供できれば、その分だけ仕事の可能性は広がる。1つのアクションに対して、少なくとも5つぐらいの選択肢を想定できるようにしておくと良い。

⑦常にクロスカウンターを狙う
広げ人が出したアイデアを実行させながらも、次第に畳み人がそのアイデアをコントロールしていく。やがて畳み人のアイデアが採用され、それが後々そのプロジェクトの肝となる意思決定になることもある。