ハーバードの人生を変えるライティング

発刊
2025年6月25日
ページ数
280ページ
読了目安
287分
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論理的思考を鍛えるための文章術
思考力はライティングによって鍛えられる。ハーバード大学が学生に4年間かけて叩き込むライティングの授業を1時間に集約し、ロジカルな思考を鍛え、相手を動かす文章を書くための公式とポイントが紹介されています。

論理的思考を鍛えるために使える文章の書き方が提案されており、文章力を鍛えることを通じて、論理的思考を育む訓練をすることができます。短時間で文章力を高めるためにも役立ちます。

ハーバード大学生はライティング力を鍛える

ハーバード大学がライティングにとって達成しようとしているのは、ロジカルシンキングの向上だ。なぜなら、論理力は様々な思考の土台であり、個人的、社会的な成功の基本だからだ。そのため、ハーバード大学の学生は専攻に関係なく、在学中ずっとライティング力を鍛える。

 

ハーバード大生がライティングの授業で真っ先に徹底して学ぶのが、書きたい内容を文章にするためのアイデア出しだ。ライティングに関する問題のほとんどは、伝えたい内容がなかったり、はっきりしていなかったりするせいで起きる。自分の考えをロジカルに表現できるようになれば、書くことはたいした問題ではない。

書き手が何を書くかわかっていないのに、どこかで見聞きした内容を並べ立てても意味がない。ライティングで最も重要なのは、要点を押さえ、書くべき内容を準備する工程だ。ハーバード大生は、書きたい内容を展開させ、メッセージを組み立てる過程で、一緒に授業を受ける学生や専門家たちからレビューをもらい、内容を推敲する。この過程を何度も繰り返すことでメッセージは理路整然とする。

 

ライティングの4ステップ

ハーバード大学が学生に4年間かけて叩き込むライティングの授業を「1時間で身につけるハーバード式ロジカル・ライティングのメソッド」として集約したものが「オレオ公式(O.R.E.O)」である。この公式を使えば、伝えたい内容を文章にし、自分の考えを効果的に伝えられる。

Step1:Opinion(意見を主張する)

自分の考えをロジカルにまとめるために、要点をはっきりさせる。

 

Step2:Reason(理由や根拠を出す)

Step1で主張した意見を、妥当な理由や根拠を用いて証明する。このステップで客観的な数値を示せば、読み手をいち早く説得できる。

 

Step3:Example(具体例を示す)

具体例を出して信頼度を高める。Step2が理性に訴えるやり方なら、Step3は読者の心に訴えかけるやり方である。

 

Step4:Opinion(意見を強調する)

読み手に期待することを明記する。これにより素早く要点を伝えることができる。

 

この順番通りに考えと資料を並べるだけで、おのずと理路整然とした流れができあがる。オレオ公式でつくった文章は一貫性が生まれ、伝えたいことがはっきりしているので、読み手を納得させることができる。

 

読み手を納得させるためには、意見に関連した具体的な理由や根拠が必要だ。読み手が「なんで?」と疑問を抱く前に十分に理由を説明し、「それで、どうしろって?」をイライラする前に根拠を示さなければならない。さらに、読み手の意見をどうやって行動に移すのか、その方法まで示せば読み手は書き手の言うことを100%信頼するだろう。文章を読み終わった時、疑問や反発が出なければ、論理的で完璧なメッセージの完成だ。

 

オレオ公式を使えば、考えやデータ、情報を体系的に読みやすくまとめて、それを客観的に組み立てるだけでよい。最後にいらない内容を削り、意見が引き立つようにすれば、読み手にも伝わりやすくなる。

 

考えを明瞭に、具体的にする

オレオ公式を活用し、伝えたいメッセージをより簡単に組み立てるには「O.R.E.O」の各ステップに当てはまる考えを1文にまとめればよい。この時、守らなければならないのは、必要な成分をすべて備えた完全な文章で書くことだ。

完全な文章とは、メッセージを過不足なく伝える主語、述語、目的語を備えた状態を指す。

 

Opinion:〜なら、〜しよう

会社を辞め、好きなことをして食べていきたいなら、本を出そう。

 

Reason:なぜなら、〜だから

なぜなら、本を出せば専門的なスキルを持っているとみなされるからだ。講師協議会の発表によると、専門講師の内、著書がある人の方が謝礼が高いことが明らかになった。

 

Example:たとえば、〜

たとえば、公務員として働いていたAさんは「理系公務員のためのコミュニケーション術」という本を出してすぐ、公共機関から講演依頼が相次いだ。

 

Opinion:だから、〜なら、〜してみよう

だから、会社を辞めて独立し、一生現役でいたいなら本を出してみよう。まずはブログであなたのコンテンツを共有し、読者とコミュニケーションをとるのがよい。

 

説得力のあるメッセージに必要な3つの要素

自分の考えで読み手を説得するためには、論理が備わっていなければならない。つまり、論理の要素である結論、理由、根拠を明らかにするのだ。

  • 結論:何をどうするのか?
  • 理由:なぜそうするのか?
  • 根拠:なぜその理由が妥当なのか?

 

筋が通っていて読みやすい文章には必ず「何に関する話なのか(What)」「なぜそれが必要なのか(Why)」「どうしたらいいのか(How)」の3つの要素が入っている。

参考文献・紹介書籍