楽しそうにやる
どんな職種においても、仕事が集まったり、チャンスがやってきたりする人の一番の特徴は「やりたいことを楽しそうにやっている」ということである。仕事そのものを遊びのように面白がり、楽しめる人こそが「肩書がなくても選ばれる人」になっていく。
いい仕事をしようと思うなら、好きなことをやるか、やっていることを好きになるしかない。どんな仕事も楽しめる要素はある。やりたくてやっていることは自ずと力が湧き、困難も乗り越えられる。そんな姿を見ている人がいて、オファーがくるのは自然なことである。
やりながら考える
あちこちからオファーが来る人は「この人に声をかけたら、応じてくれそう」という明るく積極的なオーラを身に纏っている。対して、職場内でも声がかからない人は、普段から様々な誘いに「いや、それはやったことがないから」「でも、今忙しいから」と、何かと否定的で二の足を踏むことが多い。
どんな結果になるかは、やってみなければわからない。ただ、ほとんどは試行錯誤しながら進んでいる内に「なんとかできた」となり、自分の世界を広げてもらえる。失敗や苦い経験も含めて、いい学びになる。よく考えてから動くのではなく、動きながら考えて軌道修正していく内に自分の道はできている。
目の前の仕事を誠実にやりながら、それに関連したスキルや知識を身につけていくのが、オファーされ続けて、人生の波に乗るコツである。
過去の栄光ではなく、今何ができるか
転職や再就職で仕事が決まりやすい人は「それ、面白そう」「私にもできるかな」と気軽に飛び込み、年下からも教えてもらう。自分で自分を認める自尊心があれば、プライドはどうだっていいのである。「過去の栄光」ではなく、「今の自分は何ができるか」と今を生きていて「こんな自分になりたい」と未来に向かって、謙虚に自分をアップデートし続けている。
「この場所では、何が喜ばれるか」という視点がなければ、どんな仕事もうまくいかない。まずは、周りをよく観察すること。ここはどんな場所で、どんな価値観や文化があって、何が喜ばれるのか、何か困っていることはないか、と考える視点が大事である。
スキル以上に人とのつながりが重要
「仕事はできるが、なかなか声がかからない」「なぜか人が離れていく」という人は、人付き合いの重要性を理解していないかもしれない。人は「どれだけ利益があるか」の計算よりも、無意識の「好き・嫌い」や「快・不快」の感情に左右されるもの。
多少仕事のスキルが高くても、仕事を頼みにくい雰囲気を醸し出している人、仕事のスキルは普通だけど、いつもニコニコして話を聴いてくれ、こちらの要望をわかってくれる人がいれば、後者に声をかけたいと思うのは当然。結果として、そんな人は仕事のチャンスが回ってきたり、周りから教えてもらえたりするから、仕事のスキルも高まっていく。
フリーランスで仕事をしている人たちの共通点は、仕事の能力以前に、人として信頼できること、周りの人を大切にすること。と言っても、好かれようと人を持ち上げたり、プライベートな飲み会などで仲良くしたりしているわけではない。むしろ、人間関係はさらりとしている。一人の人間同士として誠実に付き合い、信頼を損ねる行為をしなければ、人望は厚くなっていく。
専門性を持つ
オファーが絶えない人は「これができるのは、あの人しかいない」と思われるほど、厚い信頼を得ている。「これだけはできる」という売りになる専門性を持つと、肩書がなくても一目置かれて、オファーされることが増える。他の専門知識や経験、自分のキャラクターを掛け合わせて、自分ならではの仕事が生まれる。
肩書がなくても選ばれる人は、何らかの専門性を持ち、それを日々アップデートしている。専門性を持つためには、インプットと同時にアウトプットをすること。そこに、率直な欲求とリアルな目的意識があれば、それを努力とも感じず、面白がって試行錯誤しながら深めていける。
疑問を持ち、自分で考えて動く
仕事ができる人かどうかの鍵は、「疑問を持つ習慣」にある。例えば、会議用の資料作成を頼まれたとして、何の疑問も持たず、前例に倣ってやる人と、「これは何の目的の資料?」「誰が見る?」「もっとわかりやすくできないかな?」などと疑問を持つ人がいる。人間は「これでいいの?」と疑問を持つことで、情報を集めたり、試行錯誤して進化していく。現状に対して、何の疑問も持たなければ、問題があることにも気づかず、自分の身を守ることもできない。
肩書がなくなっても選ばれ続ける人は、組織の中でも疑問を持つことを放棄しなかった人である。「この状況はおかしい」と疑問を持ち、自分の頭で考えて動いてきた習慣は、一生使える仕事の胆力になっていく。