急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則

発刊
2007年6月23日
ページ数
360ページ
読了目安
518分
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口コミが広まる法則とは何か?
全米でベストセラーとなった古典的名著。様々な事例を取り上げ、口コミが広まる仕組みを解き明かしています。
爆発的なヒットは、小さな原因から起こる。口コミの仕組みを理解することで、商品のマーケティングに活かすことができます。

ティッピング・ポイント

それまで知られていなかった本が一躍ベストセラーになる現象など、口コミの伝播を理解するには、それを伝染病のようなものとして考えるとよい。アイデア、製品、メッセージ、行動などはウイルスのように広がっていく。これら伝染病的な現象には以下の共通する特徴がある。

・感染的
・小さな原因が大きな結果をもたらす
・変化が徐々にではなく劇的に生じる

何らかの感染現象において、すべてが一気に変化する劇的な瞬間を「ティッピング・ポイント」と呼ぶ。どんな新しい技術にも、それが一般に普及していくためのティッピング・ポイントが存在する。

 

感染現象が広まるには、次の3つの原則が関係する。
①少数者の法則

社会的影響力の強い人など、特別な資質を持った少数の人が、口コミ伝染に大きな影響を及ぼす。

②粘りの要素

人の記憶の粘り着くメッセージが口コミ伝染には必要である。粘りの要素を与えるには、内容ではなく、情報提示の方法に有意義な工夫を加えることが大切である。

③背景の力

ある特定の行動を誘発する刺激は、ある特定の人物から発せられるのではなく、ある環境の特殊条件からやってくる。

 

少数者の法則

社会的伝染(口コミ)が成功する鍵は、ある特別な社会的資質の備わった人物が関与しているかどうかにかかっており、3つに分類される。

①媒介者(コネクター)
社交的で、顔が広く社会的影響力の強い人。発想や製品はコネクターに近付くほど、力を機会が増える。
例えば、友人においしいレストランがあると語り、その友人がまたその友人にそれを伝えただけではダメである。口コミはその連鎖のどこかで、コネクターの口を経た時に突如として始まる。

 

②通人(メイヴン)
様々な製品や価格、場所などについて情報を持っている人。そして、どうすれば良い買い物ができるかがわかったら、それを他人に教えたがる。メイヴンは、口コミによる伝染を始動させるための知識と社交的技術を備えている。

 

③セールスマン
自分の耳にした情報に納得しない人を説得する技術を持った人。

 

粘りの要素

口コミを伝播させるのはメッセンジャーであるが、そのメッセージの内容も重要である。メッセージで問われる性質は「粘り」である。記憶に残るか?誰かに行動をうながすほど記憶に残りやすいか?

メッセージに粘りの要素を与えるのに必要なことは、情報提示の仕方にさりげなく、だが有意義な工夫を加えることである。

 

背景の力

感染は、それが起こる時と場所の条件と状態に敏感に反応する。ある特定の行動を誘発する刺激は、ある特定の人物から発せられるのではなく、ある環境の特殊条件からやってくる。

 

口コミ伝染させる方法

口コミを伝染させるには、口コミに影響を及ぼす少数の人々に資源を集中し、実験を繰り返すことが大切である。三橋 ゆか里

 

①感染を起動させるには、資源を集中させること
コネクター、メイヴン、セールスマンのグループに資源を集中的に投入する。それ以外は問題にしなくて良い。

 

②自分の直感と世界は一致しないため、実験すること
人間の意思伝達は常識ではとらえられない反直感的な独自の規則に従っていると、知っておく必要がある。そして、変革は可能だという信念を持つことが大切である。

 

参考文献・紹介書籍