後悔を残さない経営〜社長が60歳になったら考えるべきこと やるべきこと やってはいけないこと〜

発刊
2018年9月8日
ページ数
286ページ
読了目安
293分
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事業承継のススメ
数多くの企業の事業承継をM&Aによって成功させてきた著者が、経営者が60歳になったらすべきことを説明している一冊。
中小企業をどのように次の代に引き継ぎ、発展させていけば良いのかが紹介されています。

経営者が60歳になったら考えるべきこと

①自分の健康について注意を払うこと
②事業承継の準備を始めること
③さらなる会社の発展・成長を実現すること
④財産の承継の準備を始めること
⑤リタイア後の人生を豊かなものにすること

自分の健康について注意を払うこと

何よりも大切なことは、病気になってしまってからでは遅い、という事実を認識することである。経営者の体は、自分だけのものではない。社員、その家族、取引先、会社を取り巻くすべての人たちの人生と生活がかかっている。だからこそ、自分の健康について後回しにせず、前向きに取り組むことが大切である。

事業承継の準備を始めること

少子高齢化による人材不足や経営環境の変化による事業の将来性への不安など、様々な問題があり、すんなりとは事業承継できないケースが増えている。その中でも、後継者不在問題が近年メディアで取り上げられている。理由の背景は次の3つ。

①後継者となる子供はいるが、そもそも親の会社の事業に興味がない、またはすでに自分の仕事と家族という人生の基盤を持って生活しているため親の会社を継ぐ意思がない。

②子供はいるが、経営者としての資質に欠けるため会社を継がせることができない。

③経営者の資質を持つ子供がいて、本人にも会社を引き継ぐ意思はあるが、時代遅れの業種のため、先行き不安があって継がせることができない。

会社がなくなってしまえば、財産や資産としての金額的損失だけでなく、社長自身や家族、そして社員とその家族、さらには取引先や地域社会にとっても大きな損失になる。会社を廃業するにも、最悪の場合は全財産を失い、自己破産することもあり得る。会社が存続できた場合とできなかった場合の大きな差を、経営者はもっとリアルに認識するべきである。

さらなる会社の発展・成長を実現すること

60歳という年齢が、自分の理想やビジョンを実現する最後のチャンスだと自覚することが大切である。ラストスパートに入るのは今しかないという覚悟を持って、経営に当たる必要がある。

子供に引き継ぐにしろ第三者に引き継ぐにしろ、事業承継のタイミングに合わせて会社のさらなる成長、発展を実現するというのが、現在多くの経営者が実行している戦略である。例えば、子供が会社を引き継ぐタイミングで他社を買収して盤石の態勢を築いてから事業承継する方法や、ファンドを活用する方法、または大手企業の傘下に入って成長戦略を実現する方法などがある。

財産承継の準備を始める

一族の長は、財産をめぐっての混乱が起きないように事前に手を打ち、家族を正しい方向に導いていかなければならない。財産の承継の準備を進める上で大切なことは3つ。

①財産の棚卸
②財産の引き継がせ方
③家族の話し合いと遺言書の作成

リタイア後の人生を豊かなものにする

60歳からの10年間は、まだ気力も体力もあり、自分のために使うことができる人生最後の貴重な時間である。このことを再確認した上で、まずはリタイア後の第2の人生の設計図をつくるべきである。