だます技術

発刊
2025年3月7日
ページ数
208ページ
読了目安
146分
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様々な詐欺の事例集
なりすまし詐欺、闇バイト、投資詐欺、ロマンス詐欺など、様々な詐欺の事例を紹介しながら、犯罪者の手口を知ることができる一冊。

騙されないためには、騙す側の手口を知ることが有効であるとし、メールやSMS、広告、電話、チラシなどに紛れ込む詐欺にはどのようなものがあるのかを学べる内容になっています。

本物と錯覚させる

・本物をコピーして同じ見た目にする

お支払いに問題があり、プライム特典がご利用いただけない状況です。

 

メール本文に「支払方法を更新する」という文章と共に「https://amaz0n.co.jp」というURLが記載されていたので、クリックすると、いつも見ているログイン画面が表示された。

 

犯罪者は、、詐欺サイトに誘導することを目的に、実在するサービスを装った偽物のメールを送ってくる。差出人名とメールアドレスを確認しても、それらだけでは詐欺メールか判断できない。差出人名の表示は差出人側の設定で自由に変更できてしまう。しかも、詐欺サイトは本物のサイトをコピーしているので、見た目で判断することは困難である。

 

・なりすましで本人だと思わせる

投資の始め方の講義が無料で受けられます。絶対に儲かる方法を教えます。

 

SNSを見ていると、テレビ番組でも見たことがある著名な投資家の写真が載った広告を目にした。広告をクリックすると、その投資家にチャットで友だち申請するようにとの案内が書かれていた。登録対象のアカウントには、投資家の名前とテレビで見たことのある顔が載っていた。友だち登録のボタンを押すと、すぐに投資家から「はじめまして」とチャットが送られてきた。「ご本人ですか?」と聞くと、「私が本物か疑っていますか? 免許証をお見せします」と免許証の画像が送られてきた。

 

なりすましに利用される対象は、投資家、経済アナリスト、実業家、ジャーナリスト、大学教授など、テレビや雑誌などで馴染みのある人物である。投資関連のSNS広告の半数以上がなりすましとも言われている。著名な人物であれば、インターネットで簡単に画像を入手でき、免許証も簡単に偽造することができる。

 

美味しい話で惹きつける

・「お得なチラシ」と思わせる

【期間限定】初回注文のみ、通常1800円の高級焼肉弁当が500円で注文できます。このチラシに掲載されているQRコードから、ご注文ください。

 

自宅のマンションの集合ポストに、こんなチラシが投函されていた。チラシのQRコードをスマホで読み込むと、注文画面が表示された。

 

QRコードを見ただけでは、アクセス先のサイトのURLを確認することはできない。犯罪者は、これを悪用し、個人情報やクレジットカード情報などを入手するための詐欺サイトのURLをQRコードで見えないようにし、利用者がURLの怪しさに気づくことなくアクセスするように誘導する。

 

・「かんたんに稼げる」で興味を惹く

かんたん10万円収入 → 詳細はDMで案内

 

もし10万円稼げなくても損にはならないだろうから、ダメもとでDMを送った。すると返信がきた。「お使いになっていない銀行口座はありませんか?」「その口座ですと10万円で買い取ることができます」

 

口座を売る人は、現物(通帳、免許証、キャッシュカード)を郵送する必要がなく、SNSのDMのやり取りで完結することから、犯罪として見つかる可能性が低いと考える。しかし、実際には売買した口座が詐欺などで使われると、口座の持ち主まで捜査されるので、犯罪は発覚する。犯罪者が購入した口座は、振込詐欺の入金口座として利用される。

 

話術と仕掛けで信用させる

・実在する役所の部署を装う

「こんにちは、Aさんでしょうか。××市役所のNN課のBと申します。本日は、医療費の還付に関するご案内で、お電話差し上げました。早速ですが、市役所から茶色い封筒は届いていますでしょうか?」

 

詐欺において、被害者と実際に関係のある実在の組織を名乗ることで相手の信頼感を得るのは、よく使われる手口の1つである。特に公的機関の名前を名乗ると、多くの人は怪しさより安心感を覚える。犯罪者は、被害者を騙すために、事実に基づいた情報を巧みに使う。そして、被害者に具体的な利益を示すことで心理的に引き込む。こうした具体的な利益を示すことで心理的に惹きつける手口は、投資詐欺や闇バイトでよく使われる。

それに加えて「ATMに行って手続きする」「携帯電話をつないだままコンビニへ行く」など具体的な行動が示されることで、何をするべきか明確になり、抵抗感が薄れる。

 

騙される可能性を下げる方法

①メッセージはまず疑う

メールやSMS、アプリ、郵便物、チラシなど、メッセージを確認する際は「なりすましかもしれない」と考えて、すぐに信用しないようにする姿勢が必要である。

 

②オフィシャル情報を確認する

本文に書かれているメッセージやサービスの内容とURLを見比べてみる。

 

③URLにアクセスする際は事前にチェックする

URLスキャンサービスを利用して、安全かどうかチェックしてからアクセスする。

 

④電話番号をチェックする

知らない番号からの電話には出ない。検索エンジンで電話番号を確認する。

 

⑤広告ブロッカーを利用する

広告ブロッカーで、不要な広告を非表示にする。