瞬間ストレスリセット 科学的に「脳がラクになる」75の方法

発刊
2025年3月5日
ページ数
392ページ
読了目安
429分
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科学的なストレス解消法
認知行動療法の専門家が、科学的にエビデンスのあるストレスに対処する方法を紹介している一冊。
ストレスに対する考え方、捉え方を変えることで、うまくストレスに対処できるようになると説き、メンタルの悪循環をリセットするための様々な実践方法を紹介しています。自分にあう方法を見つけられるために、数多くの方法が書かれています。

自分の内に解決策を求める

執着したり、考えすぎたり、受け身な姿勢で問題に向き合ったり、といった習慣を意識的にやめる。そうやって意識的に方向転換することで、自分の感情に向き合い、前に進めるようになる。そのためのテクニックを「ストレスリセット」と呼んでいる。メンタルの悪循環をそのままにするのではなく、一旦立ち止まってリセットするのだ。

 

ストレスに苦しんでいる人というのは大抵、次のサイクルに陥っている。

  1. ネガティブな思考に陥る
  2. ストレスによる身体症状を悪いものだと決めつける
  3. ストレスの原因を避けることで対処する

この3つはそれぞれが身体のストレス反応の原因になり、蓄積され、さらにストレスを引き起こす。このサイクルが続く限り、視野が広がらず、根本的なストレス源が何でろうと解決できないままになる。

 

自滅的な行動のレパートリーを変化させたければ、外にではなく、自分の内に解決法を探さなければならない。それには「人生にどんな意味を与えたいのか」にフォーカスする必要がある。人生を本当の意味で充実させてくれるものを犠牲にしてまで、快適さや気をそらす行為を選ぶのはやめることだ。

 

新たなレンズでストレスを捉え直す

ストレスの多くは不安と同様に予期することから生まれ、その瞬間に起きていることとは直接関係がない。ストレスと不安の違いは、ストレスは外的なきっかけで始まる点だ。逆に不安は明確な外的要因がなく、長引くこともある。

ストレスを感じるのは自然なことであり、必ずしも悪いものではない。困難に直面しても「何とかできる」と思えれば、ストレスはポジティブかもしれない挑戦になる。しかし「手に負えない」と思い込むと、ストレスは脅威になってしまう。

 

ストレスにどうアプローチするかで、ストレスを足かせではなく、自分の味方につけて活かすことができる。ストレスは有益な可能性を秘めているとみなすマインドセットが「ストレス・マインドセット」だ。自分にとって大切な機会に注力し、偏見を持たずに何もかも感じることを自分に許し、「このストレスは、自分にとって良いものかもしれない」と考えることでストレスを最適化する。

ここで肝心なのは期待を高めることだ。特に人生の目的に沿った難易度の高い挑戦に挑む時には大切になってくる。例えば、緊張するようなイベントを「価値観を変えてレベルアップするチャンスだ」と捉える。生活の中で「落ち着け」を「なんかワクワクする」に置き換える。研究では、自分にどう言い聞かせるかでアプローチや感じ方は変わり、パフォーマンスにも大きな影響を及ぼすことがわかっている。

 

つらい時のストレスリセット

ストレスや不快な症状は無理に消すのではなく、困難な状況でも自分を思いやり、柔軟に対処できるようになることが大切だ。良い変化を1つ起こせば他の変化にもつながっていく。そういうリセットは自己効力感を高める助けになる。自己効力感が高まることで、より前向きな習慣を継続しやすくなり、「負のスパイラル」を「ポジティブな連鎖反応」に置き換えることができる。

 

リセットはタイヤに空気を入れたり精神的な断捨離をしたりするのと似ている。リセットの目的は「リチャージ」だ。少し栄養を摂ることで思考が明確になり、そもそものストレス原因が何であれ、解決できる状態になる。

 

①しっかり地に足をつける

その時点で立ち止まり、自分のマインド、身体、行動に質問をして棚卸しする。自分の足が地についている部分に意識を向け、今という瞬間にアンカリングする。

 

②心の状態を把握する

自分のマインドの状態が「感情的なマインド」「合理的なマインド」「賢明なマインド」のどこにあるのかを考える。自分が今、感情的なマインドになっていると気づけば、感情的な決めつけを中断できる。

 

③自分の中の「賢い自分」と対話する

自分の中にある「賢明なマインド」にアクセスすることで、感情・知識・直感が統合され、自分だけの気づきを得られる。息を吸って吐く。吸う時には賢明なマインドにアクセスし、吐く時は心を落ち着かせるイメージで。

 

④ネガティブな考えを歌にする

自分の考えを楽しい歌にする。思考との関係性が変化し、真剣に捉えすぎなくなる。

 

⑤ありのままを受け入れる

自分の心身の苦痛を認識し、今この瞬間をあるがままに全面的に受け入れる。痛み自体もつらいが「痛み」と「受け入れられない」という状態が組み合わさると、苦しみへと変わる。まずはオープンになることから始める。

 

⑥感情に名前をつける

心を落ち着け、自分の感情を観察して名前をつけていく。感情を正確に分析することがポイントである。

 

⑦どんな感情も認めて、受け入れる

自分自身の経験を無意識に軽視していても気づかないものだ。まずは、自分の考え、感情、行動、置かれている状況に注意を払う。次に自分が感じていることの正当な部分を認める。