幸せな経営 一世一代のマインドチェンジを実行する

発刊
2025年3月3日
ページ数
272ページ
読了目安
243分
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推薦者

右肩上がりではない時代の経営が目指すところ
右肩上がりで経済が発展する時代ではなくなった現在において、売上を拡大するための経営から脱却しなければ、経営者も社員も幸せになれない。

売上目標ではなく、企業が何のために存在するのかを改めて問い直し、経営者自身が何をやりたいのかをもう一度考えるべきであると説く一冊。これからの多くの経営者が考えるべき内容が書かれています。

経営者自身が幸せを考えなければならない

経営者が会社を成長させるために、まず必要なのは「考え方を変える(マインドチェンジ)」である。どんなに素晴らしいアイデアや戦略があっても、経営者自身が変わらなければ、会社も変わらない。

経営者が幸せであれば、その影響は社員やお客様、取引先、家族にまで広がる。逆に、経営者が不安や孤独を感じていると、周りの人たちにも悪い影響を及ぼしてしまう。「幸せな経営」とは、経営者自身がワクワクと楽しみながら仕事をすることから始まる。

 

多くの場合、経営者自身が「何に幸せを見出すか」ということが、会社や経営者を突き動かす強力なエネルギーになる。少なくとも昭和の時代までは、幸福とは「人生の成功者になること」とイコールだと考えられていた。「もっと稼ぐ」「もっと会社を大きくする」という拡大政策を推し進めてきた。しかし、かつての右肩上がりの時代は終焉を迎え、経営の目的を見失った経営者たちは、今一度自分にとっての幸福観に向き合わざるを得なくなった。「そもそも自分は何のために事業をやっているのか」をしっかり踏まえないことには、会社経営の面でも、経営者のメンタルの面でも立ちいかなくなっている。

 

経営の成功と人生の成功は異なる。たとえ売上や社員数が順調に増加している会社であっても、経営者は悩んで行き詰まっていることがよくある。経営者が本来求めなければならないのは自分自身が幸せになることである。

人生に成功をもたらす要因の1つは、自分自身の「成長」にある。自身の理想に向かって成長し、「私は充実した人生を送っている」と実感できることは多くの人に当てはまる成功のカタチではないか。したがって、経営者が人生の成功を追求するには、まず自分自身の理想を明確にする必要がある。幸福というのは個人の感覚にすぎず、答えは経営者の心の中にある。

 

成功よりも成長が大切

会社経営では、成功することも大切だが、より重要なのは自分たちの「成長」を追求することである。成長とは絶え間ない学びと改善を通じて、会社とそこに所属するメンバー1人1人が躍進していくプロセスである。成功より成長に重きを置くことで、経営者や社員の視点が、売上規模の拡大よりも会社のミッションに即したビジネスを展開できているかどうかに変わる。

 

成功と成長の間には大きな違いがある。成功は一時的な目標達成に焦点を当てるが、成長は持続的な発展と価値の提供に注力する。成長を追求することで、自社の有するキャパシティが拡大し、会社は長期的に繁栄し、社員は仕事に充実感を感じられるようになる。その結果として、成功も実現する。

 

自分たちにとって大切なお客様は誰なのかを見極める

ミッション経営とは「経営者の自己実現を追求し、社員・お客様・経営者のすべてが幸せになる」経営改革メソッドである。ミッション経営は目先の課題解決ではなく課題の本質を明確にし、お金と人の問題を同時に解決する仕組みを作る。企業ミッションに基づき、経営者が中心となって、「売れ続ける仕組み」「投資改修の仕組み」「人が育つ仕組み」の3つの勝ちパターンを順序立てて作り上げることによって、社員の負担を減らし、利益が向上する生産性の高いビジネスモデルを作っていく。そのためには経営者の意識改革が重要になる。

 

ミッション経営では「誰に?」「どのような価値を?」「どのように?」提供するのかをミッションとして構築する。重要なのは問題を俯瞰して捉え、「自分は何のために仕事をしているのか?」という本質に立ち返ることである。ミッションを追求すればするほど、ビジネスはシンプルになり、長期的な高収益を期待できる。

ミッション経営では、理想の顧客層を絞り込むことを最も大きなポイントとする。顧客像を絞り込むことで顧客のニーズは明確になる。それにより顧客のニーズを満たすための提案を積極的に行えるようになり、それが結果として差別化に結びつく。

 

ミッションを明確にすれば判断基準もクリアになるので、「やるべきこと」と「やってはいけないこと」がはっきりする。ムダな業務は自然に淘汰され、経営はどんどんシンプルになり高収益体質に変わっていく。ミッションを策定する上で最初に考えるべきは顧客である。顧客の中でも「優良顧客」を想像することが起点になる。ペルソナを設定することで顧客のニーズや要望を具体的に把握し、より効果的なミッションを作成できる。

「時代の変化とともに高まる問題」「貢献できること」「貢献したい人」の3つが重なり合う部分に、自社のミッションが存在する。このポイントを踏まえながら、自社のミッションを考える。

 

ファン客を作るために最も効率的な方法は、自分たちが好きな顧客を見極め、ターゲットに定めることである。