経済的な自由を手にするための秘密
経済的な自由を永遠に手に入れるための、実績があり驚くほど簡単なプロセスは次の通りである。
- 収入より支出を少なくする
- 借金をしない
- 余った分は投資する
- シンプルで低コストで包括的なインデックスファンドで運用する
必要なのは、投資を自動操縦に設定し、人生のもっと重要な活動に取り掛かることだけだ。投資は、一旦基本的な部分を設定してしまえば、あとは放っておいた方が、良い結果が得られる。
自由
自由と選択肢こそが経済的自立と「シンプルな道」が目指すゴールである。時間と引き換えに働くという能力は、人生にお金をもたらす方法の1つに過ぎない。他のもっと優れた方法は、稼いだお金の一部を使わずに取っておき、より多くのお金を稼ぐために運用することだ。お金は人間と違って、24時間365日働き続ける。
投資に新たな資金を追加すると、自分のために働くお金が増えるだけでなく、その増えたお金がさらに多くのお金をもたらしてくれる。これが「複利」と呼ばれるものだ。これによって、最終的には、自分の稼ぎよりもお金による稼ぎの方が大きくなる。これを「自由を買う」と呼んでいる。
借金
収入をすべて使ってしまったら裕福にはなれない。使うお金を借りるのは致命的だ。「富へと続くシンプルな道」を歩む上で、借金とは必ず縁を切らなければならない。借金は避けられるし、抜け出すこともできる。「昔は現金で払えないなら買えないのが当たり前だった」というアドバイスは今も有益だ。
借金をすると、利息の支払いが収入を食い尽くし、自分を収入源の奴隷にする。お金に使われることになるのだ。借金の返済に費やすお金は、自分のために働いてはくれない。投資して得る収益と、さらにそこから生まれる収益を取り逃がすことになる。
家は住む場所であり、大抵はお金のかかる贅沢でもある。一般的には、賃貸の方が購入するよりも安く済む。住宅ローンの未払額と家賃を単純に比較するという、ありがちな落とし穴にはまらないこと。ここには、税金、改築、修繕、家具など住宅の所有に伴うあらゆる追加費用は含まれていない。
もし、家を買うと決めているなら、ニーズに合った、一番控えめな家を購入するのがベストである。無理なく手に入り、経済的自由を達成するなどの目標を妨げないならば、家を購入することも問題ない。
貯蓄
貯蓄は私たちを借金から解放してくれるだけでなく、富を築いてくれる重要なメカニズムだ。貯蓄によって、他のすべてのことが可能になると言える。
「シンプルな道」を歩んでいるほとんどの人が「収入の50%貯蓄」に取り組んでいる。年間8%の投資リターンを得ながら、標準的な引き出し率4%で生活することを想定した場合、どの程度の貯蓄率でいつ頃リタイアできるのかは以下の数字でイメージがつかめる。
貯蓄率:リタイアまでの年数
10%:38.3年
20%:28.6年
30%:22.6年
40%:18.1年
50%:14.3年
60%:11.1年
70%:8.1年
投資
貯蓄があるおかげで収入の一部を投資に回すことができ、やがてこの投資がお金を稼いでくれる。そのお金にできる限り頑張ってもらいたいなら、賢く長期的に資金を投入する方法を学ぶ必要がある。
個別銘柄選びや、それを生業にする人が運用するミューチュアルファンドの成果が、市場全体の平均リターンを上回ることはほとんどないことが、数十年にわたる調査で繰り返し証明されている。このことから、単純にインデックス全体を購入するファンドが投資家にとって最適だ。
但し、インデックスファンドで、スムーズな道のりは期待しないこと。株価は変動する。市場の調整(10%の下落)や下げ相場(20%以上の下落)、市場の暴落(35%以上の下落)があったとしても航路を守る覚悟をしなければならない。市場が下落するおかげで訪れる素晴らしい購入チャンスを喜んで受け入れ、ひたすら株を買い続けなければならない。
会社から逃げるための緊急資金
完全な経済的自立を手に入れる前には、自分の時間の選択肢の多くを楽しめる中間的な段階がある。これをいつだって会社を辞められるお金「F-Youマネー」がある段階と呼んでいる。いつでも、どこでも、誰にでも、必要とあらば「F -YOU(ふざけんじゃねぇ、あばよ!)」と言ってのけられるだけのお金である。
このお金を活用することで、経済的にも心理的にももっと報われる仕事や状況を手にできることはよくあるし、6桁の給料に背を向けて立ち去り、十分すぎるほどの生活を送れる場合もある。