超人的な視覚能力
私たちの能力は、自然界で私たちが生き延び、繁殖するために、何百万年もかけて進化してきた。特に人間の脳の半分は視知覚に必要な計算を行うために特化している。人には「色覚(テレパシー)」「両眼視(透視)」「動体視力(未来予見)」「物体認識(霊読)」という4つの超人的な視覚の能力がある。
人間が色覚を持っているのは、肌を見て、敵や味方の感情と状態を感知するためだ。目が前向きについているのは、自分の鼻や身の周りの邪魔物の先を見通すためだ。目の錯覚は、現在を正しく知覚するために、脳が未来を見ようとしているからだ。そして、文字が自然界のものと似た形へと何世紀もかけて文化的に進化したのは、人間は自然を見るのが得意になるように進化してきたからだ。こうした文字のおかげで、人間は他人の考えを易々と読むことができる。
感情を読むテレパシーの力
私たちは表情を読む時、目を使い、脳を使って視覚情報を計算する。人間は生理的状態が変化すると、体の様々な部位に送られる血液の量が変わることが多い。その結果、肌に色などの変化が出る。人間には、血液の2つの特性(酸素飽和度と量)を感知する能力がある。この色覚によって、肌の色を測定し、私たちは他人の心を読むことができる。
人間が色覚を進化させたのには、肌と関係がある。気分や感情や生理的状態を感知するためだ。色によるシグナルから、動物は本当にどう感じているのかがわかる。
透視する力
視覚を持つ地球上の動物の大半は、自分の後方のかなりの部分を見ることができる。それぞれ反対側を向いた2つの目を持つことで、それが可能になる。
人間には目が2つあるが、両方とも同じ方向を向いている。両眼視の利点には、奥行きを捉える能力にあると言われるが、その価値は「透視能力」にある。2つの目で同時に見れば、2つの視点から2つの外界の眺めが届くはずだが、両目の真ん中からの1つの視点として知覚する。左右の目は障害物の向こう側の風景のそれぞれ違う部分を見ることで、障害物を透かして見る。これは見通しの悪い場所にいる時に役に立つ。動物の中でも、両眼視の動物は、葉が多い生息環境を好む。人間の目は森という環境の中で進化してきたと考えられる。
未来を予見する力
私たちの視覚系は未来を予見して、その情報を利用して現在の知覚を生み出す。視覚系が光を受けてそれを視知覚に転換するには約0.1秒かかる。この脳の遅れを埋め合わせるために、私たちは未来予見の能力を持っている。
そして、脳はおそらく、知覚構築にかかる時間を最短にするのではなく、いっそうの計算力を獲得するために、未来予見の能力を向上させて、知覚の遅れを最大限に引き伸ばすようにデザインされている。長い計算時間がもたらす計算時間がもたらす利点と遠くなるほど増大する未来予見の難しさのバランスを最適化するようにデザインされているのかもしれない。