情熱を燃やす
ケネディ大統領の月に行くというビジョンは、世界中の人々に活力を与えた。このビジョンを具体化した科学者やエンジニアの多くも、同じ情熱に突き動かされていた。そして、その情熱は成功に欠かせないものだった。それは、仕事を遊びに変えて長時間労働と厳しい締め切りに対応する上で有用だった。
大好きなことを仕事にすると、人々は仕事が遊びのように感じられて、困難な状況でも仕事を続けられるようになる。その結果、仕事に情熱的な人は生産性が非常に高くなって成功する。
イノベーションを生み出す
成功にはアイデアやプランが必要である。成功するまでの道のりが、明白で分かりやすい時は多くの人々が同じ方法を選ぶ。しかし、不可能と思われることを実現しようとする時は、伝統を捨てて、もっと革新的な方法を生み出すことが重要である。
拡散的思考とは、ある問題に対してたくさんの解決策を考え出すことに関係しており、イノベーションや発明に中心的な役割を果たす。創造性を一層高めるための簡単な方法は、1つのアイデアに夢中になる誘惑に抗って、逆転の発想を行い、「少ない方が豊かである」と考えて、リラックスして気楽に過ごすことが大切である。
自信から恩恵を得る
成功を楽観視する人は、自信に後押しされて、意欲的にスタートを切り、粘り強くやり遂げる傾向が強い。そのため、困難に思えたことがそれほど困難ではないことに気づいたり、成功するための革新的な方法に気づいたりする可能性が高まる。
自信を高めるには、小さな勝利を作り出し、自分と対話し、過去を振り払って楽観的な考え方を身につけて、英雄崇拝に没頭するといい。楽観的に考えられるようになるためには、自分だけではなく他の人々の力や存在も同じくらい重要である。他の人が成功している姿を見れば、不可能のように思えることも実現可能だとわかるからである。
失敗から学ぶ
アポロ1号の火災は、管制官全員が不安や心配をオープンにすることの重要性に気づくきっかけになった。失敗を隠蔽して問題が起きる可能性を無視しようとする考え方は捨て去られた。その代わりに、エラーを受け入れて、そこから学び、成長する機会に変える考え方が生まれた。
挑戦的な状況を喜んで受け入れて、自分のミスをオープンにして失敗から学ぶことが大切である。
責任感を身につける
アポロ計画がこれまで成功してきたのは、プロジェクトに携わった多くの人々が個人的な責任感を持っていたからである。「誠実さ」は、他の知性や性格的特徴よりも、成功に関連する要因である。誠実性は、時間を守る、期限を守る、一所懸命に働く、先延ばししない、正直で高潔なことなど、様々な行動と関係している。
誠実性は誰もが高められる。その方法は、自分の心にいるコントロール魔に出会い、先延ばししないようにして、成功者の7つの習慣を取り入れて、失望させたくないという想いをいだければよい。
- 整理整頓する
- 半分の時間を課題に使う
- 10分前に行動する
- 面倒な仕事から先に片付ける
- できないことは引き受けない
- 一旦立ち止まって欲求を克服する
- フェアに生きる
実行に移す勇気を見つける
人は難しい決断に対して、「闘争」と「逃走」という2つのどちらかの反応をする。逃走気質が強ければ、恐怖から逃れようとする傾向がある。しかし、このような恐怖への対処の仕方は失敗につながる可能性が高くなる。
一方、行動的でリスクを取って起こり得る問題の克服に重点を置いた闘争反応による対処の仕方には、大きな2つのメリットがある。第一に、実際に行動に移せば学びが得られる。第二に、行動に移すことで志が同じ人と出会い、思いがけないチャンスに巡り合う可能性が高まる。闘争反応を取れるようになるためには、リスクを適切に評価して、つべこべ言わずに行動を始めて、無謀な決断を止めて、恐怖か生み出す不快感を克服すればよい。
あらゆる事態に備える
What-If(もしも〜だったら)思考は、アポロ計画のあらゆるレベルで使用されており、最も広範に、複雑に使用されたのは管制室だった。What-If思考を行うことで、主要な問題を特定して、それを防ぐ、あるいは対処するためのベストな方法を検討する。
What-If思考を生み出して、起こり得る問題の解決策を得るための効果的な方法は、リハーサルを実施するという方法である。リハーサルを行なってみて、潜在的な危険性を明らかにするのは有効である。
柔軟に対処する
すべての想定外の事態を予測するのは不可能である。宇宙飛行士や管制官は、しばしば予期せぬ事態に対処する必要に迫られた。柔軟な考え方は、アポロ13号を無事に帰還させるなど窮地を救った。
心理的な柔軟性を高めるには、普段と違うことをするのが効果的である。特に効果的なアイデアは3つ。
- 習慣を壊す
- 心の中にいる道化師と出会う
- 多様な人々と付き合う