「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書

発刊
2018年6月1日
ページ数
282ページ
読了目安
304分
推薦ポイント 6P
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偏差値35から東大に入るための読書術
偏差値35から東大に入った著者が、地頭を鍛えるために行った読書術を紹介している一冊。
読書のやり方を変えるだけで、考える力を身につけることができると、そのテクニックを紹介しています。

本の読み方を変えれば、地頭を鍛えられる

東大はいくら頑張って「知識の量」を増やしても合格できない大学である。東大には知識問題がほとんどなく、最低限の知識を「うまく活用」できないと解けない問題がたくさん出題されている。つまり「自分で考える力」をとても重視している。

「考える力」を鍛えるためには「本と徹底的に議論する」こと。受動的に本を読むのではなく、能動的に、自分の頭で考えながら、「どうしてこういう風になるのだろうか?」「これは本当にそうなんだろうか?」と、本と会話するつもりで読む。すると「本を読み込む」ことができ、得た知識を使う力「地頭」も鍛えられる。

東大生はみんな、さっと本質を捉えたり、論理展開がクリアだったり、物事を多面的に捉えたり、知識を使いこなせたり、複雑なことを一言で説明したりすることができる。この力はこの読書術の成果だった。地頭のいい東大生は、「本の読み方」が人と違うだけなのである。

東大読書の5ステップ

①仮説作り:「読み込む力」を劇的に上げる
装丁(カバーや帯)からしっかりヒントを得るようにする。その上で、その本にどのようなことが書かれているのか仮説を立てて、自分がその本から何を学ぶのか目的をはっきりさせる。

東大生が文章を素早く、かつ正しく読解できるのは「読む力」が優れているのではなく、「文章の外からヒントを得る力」があるからである。東大生の多くは、国語の長文読解問題が出題されたら、長文には目もくれず、まず真っ先に「問題文」を見る。問題文の中にはその長文の内容を問う問題が並んでおり、ここからその長文の内容をおおよそ把握できることができるからである。

②取材読み:「論理の流れ」をクリアに見る
本当に読解力を身につけ、本の内容を自分のものにするためには、「読者」ではなく「記者」にならなければダメである。読書をしている間に心の中で「相槌」を打ち、著者が目の前にいたら自分がどういう「質問」をするか考えながら読む。ただ漫然と読むのではなく、「なるほどな」と心の中で納得したり、「あれ? これってどうなんだろう?」と自分の中で疑問を持ったりしながら読む。重要なのは「質問」を考えてみること。質問を考えて回答を探すことで、本を隅から隅まで読むことにつながり、内容をより詳しく理解できるようになる。

③整理読み:難しいことを「一言」で説明する
本の内容を本当に理解できているかは、短い言葉で伝えられるかどうかでわかる。著者の本当に言いたいことを理解するためには、文章の「骨」に注目するようにしなければならない。どんな文章でも、最初から最後まで1本、「骨」になる「主張」が通っている。その「骨」になる「主張」に、様々な例や根拠といった「身」が付いている。「骨」を発見しやすいのが「頭」と「尻尾」である。

④検証読み:「多面的なモノの見方」を身につける
1冊の本からより多くのインプットが得られるのは「同時並行で複数の本を読む」読み方である。これによって「意見の偏り」を避けられる。そして、客観的な目線を持ちつつ、インプットすることができるようになる。さらに1冊の本を読んでいる間に、新しい角度から同じ内容の文章を読んだ方が記憶に残りやすい。

⑤議論読み:本の内容を「ずっと記憶」しておける
人間は、会話する方がその内容を理解できる。相手の話を一方的に聞くよりも、自分の意見を相手に伝えたり、相手の話に共感を示すなど、「自分が相手に話す時間」があった方が、話の内容が頭に残りやすい。本と話す、つまり読んで得た情報をアウトプットして自らの意見を外に出してみることで、インプットした内容を活用できるようになる。読んだ感想も立派なアウトプットである。「インプット」→「アウトプット」という過程の中で、理解は深まる。