10倍成長 2倍より10倍が簡単だ

発刊
2024年6月21日
ページ数
376ページ
読了目安
485分
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推薦者

飛躍的に成長するためのマインドセット
10倍の目標を立てる方が、手段が限られるためにより目標に集中できる。多くの起業家を指導してきた著者が、10倍成長するためのマインドセットの大切さを説き、大きな成果を生むための考え方を紹介しています。

目先の積み上げ型の目標に捉われずに、大きな視点で目標を見直し、飛躍的な成長や視点を生み出すために思考を切り替えるために役立ちます。

10倍目標を掲げよ

効果的な目標は、ぎりぎりの限界、できるだけ高いところに設定すべきだ。不可能なレベルまで目標を引き上げて、初めて今ある知識や想定を頼りに考えるのをやめられる。新しいアイデアを受け入れ、それまで考えもしなかった道を検討するようになる。

これまでの想定や慣習に基づいて、線形的に行動するのが「2倍」。刺激的で不可能にも見える未来像に基づいて、非線形的に行動するのが「10倍」だ。

 

小さな目標は取るに足らなかったり、現状の延長線にあったりして、効果的な方法を照らし出してくれない。これが、10倍の目標やビジョンが2倍の目標よりシンプルでやさしく、実用的である根本的な理由だ。2倍の目標では、達成に向けて考えられる方法がありすぎる。これでは「分析麻痺」に陥り、どこに労力と努力を最もかけるべきか全くわからない。

 

10倍の目標を掲げると、効果が見込める戦略や方法は自ずと絞られる。10倍成長へ導く道はわずかだからこそ、シンプルで非常に有効な目標になる。10倍を狙うとなると、雑音の中からクリアな信号が見えてくる。10倍成長をかなえる手段はほぼない。そうなると、本気でやるつもりなら、自分が今取り組んでいるすべてについてもっと正直にならざるを得ない。どの道を選ぶべきか、もっと厳しい目で判断しなくてはならない。非常に限られた戦略や条件だけが大きな変化を起こすか、そのきっかけをつくるからだ。

 

10倍のマインドセット

10倍のマインドセットの人は、より多くを達成するには、より少ないものに集中すべきだと知っているし、理解している。長時間働けば必ず良い結果につながるとは誰も思わない。長時間労働は大抵、新しい考えを生むこともなく労力をかけているだけの場合が多い。それは10倍ではなく、2倍を生きているという意味だ。労力に集中して、変革に目が向いていない。

 

最良の結果の80%は、注力したことの20%によってもたらされる。この20%には、今取り組んでいる活動や特定の人たちとの関係が含まれる。自分が注ぎ込んだ少しのものから、結果のほとんどが生まれている。

では、価値のある20%とそうでない80%をどう区別するのか。そのためのステップは2つある。ほとんどの人は、第1ステップだけで満足するが、それでは不十分である。

 

①ゴールを明確化する

明確なゴールを設定しない限り、そこへ確実に導いてくれる20%と他へ向かう80%は見分けられない。但し、ゴールがさほど遠くないなら、大胆な変化は必要ないので、80%と20%の区別も必要なくなる。

 

②もっと大きな目標を立てる

ゴールを思い切り遠くに設定しなければ、今注力しているが役に立たない80%を切り離せない。目標を10倍大きくすれば、どの方法、人間関係、もしくは行動が役に立っていないか、滑稽に思えるほど明白になる。

 

現在地から10倍成長するには、20%だけを大きく展開し、残りは除外する。10倍の視点で物事を識別すれば、足かせになっている80%は見えてくる。10倍の世界は、今の世界とは、根本的かつ質的に異なる。全面的な変容である。80%を捨て去れば、10倍成長は自然と始動して、加速していく。

 

どうやるかではなく、誰とやるか

生き方をもし10倍に変換したいなら、「どうやるか」ではなく「誰とやるか」を基本理念として習得すべきだ。仕事をどう片付けるかばかりを考えて行き詰まっていては、10倍飛躍は見込めない。

 

10倍を目指すには、どうやるかではなく、誰とやるかの方が重要だ。80%を手放すために誰かを雇うのは、コストではなく自分と自分の事業に対する莫大な投資だ。才能と実力のある誰かを雇うのを、ぜひやるべき投資と考えるより、とても負えない出費と考える人が多い。しかし、この投資によって、桁違いのリターンをもたらし得る20%に集中できるのだ。

 

アイデンティティーと基準を引き上げる

世界で最も成功した人たちに共通する特質は「新しいアイデンティティーをすぐに身につける力」だ。20%に全力でコミットするとは、10倍のアイデンティティーを選び取るということだ。それによって自分と自分の人生を変容させ、刺激的な未来にする。

 

人のアイデンティティーには、基本的に2つの側面がある。

  1. 自分について持っている物語
  2. 自分を支える基準またはコミットメント

簡単に言えば、アイデンティティーとは、一個人として最もコミットするものだ。人には、コミットする自分についての物語と個人的な基準がある。私たちは皆、たとえ自覚していなくても、自らがつくった基準にコミットしている。

自分の基準を引き上げ、それにコミットすることで、人はアイデンティティーを進化させる。コミットしない限り、何も起こらない。今の能力や自信をはるかに上回る基準にコミットできれば、自分の知識の範囲や快適な領域から飛び出せる。