複業とは
仕事とは本来、感謝の延長にあるものだが、産業としての工業が成熟していくことで、企業の組織も細分化され、仕事と感謝は別々のものになっている。そのため「お金をもらう組織と感謝をもらう組織を別々に持つ」という生き方を意識的にデザインする方がよい。これが「複業」だ。
複業の目的は、お金だけでなくスキル、もしくはつながりを得るためでいい。仕事の対象は、お金だけでなく、スキルや、つながりを得る活動でよい。会社ではお金をもらい、ボランティアコミュニティでは感謝を得て、またそれを触媒にして、つながりを得ているならば、それは立派な複業と言える。
複業に必要な3つの資本・資産
複業は、お金だけでなく「安心感」「貢献感」「幸福感」を得るための働き方だ。この3つを得る「複業」を始めるために、元手にすべき資本・資産がある。それは、人的資本(スキル)、社会資本(つながり)、金融資産(お金)の3つだ。
・人的資本(スキル)
労働者が有する生産に有用な能力(労働、知識、技能)
・社会資本(つながり)
人と人との信頼関係(友人、知人、人脈など)
・金融資産(お金)
自由に利用できる財産(現金、貯金、不動産など)
複業することは、人的資本と社会資本を使って、新たな人的資本と社会資本を再生産しているにすぎない。複業の一歩は、自分の持っている人的資本と社会資本で、何か人にできることから始めるのが良い。
3つの資本・資産を再生産する
3つの資本・資産を再生産し増やすためには、次のようになる。
①人的資本の再生産
元本(健康・スキル・経験)× 利率(仕事の難易度)× 時間
②社会資本の再生産
元本(関心の関係集団)× 利率(人的資本×関心度)× 時間
③金融資産の再生産
元本(贈与・相続・人的資本の貯蓄)× 利率 × 時間(運用期間)
個々人には、最適な複業ポートフォリオがある。複業を始める時の年齢や年収、ライフプランを考慮に入れた上で、どのようにリスク設計していくかが大切になる。
複業へ向けた関心の見つけ方
①AS-IS → TO-BEまずは今の自分と持っている資本のAS-ISと、未来の姿であるTO-BEと、TO-BEを達成するための経験やスキルを考えてみる。
1.自分の性格・思考を棚卸をする
2.自分の今までの経験でできることを書く
3.将来の時間軸を決めその時にありたい姿を書く
4.将来の理想に対して今をみた時に足りないものを、どんな場面で、どう身につけていくかを言語化する
②Will Can Must
Wiiは「やりたいこと」、Canは「できること」、Mustは「やるべきこと」。この3つの円を描き、自分のキャリアを整理する。
③ワークグラム
「やりたい」を見つけられない人は、その根本にある、喜び・ワクワクの関心、「喜び・関心軸」を知ることから始めるとよい。
<a href=”http://www.se-j.com/workgram”>http://www.se-j.com/workgram</a>
複業に向けた最初の一歩の踏み出し方
①自分事化(前提)・自分事にする
②発芽培養(価値)
・現場で仮説をぶつけ、興味のあるポイントでの試験利用
③生態系認知(パートナー)
・発見の学びをパートナーにモデル化する
④伝道展開(組織化)
・少人数での事業開発チームを作る