CAREER FIT 仕事のモヤモヤが晴れる適職の思考法

発刊
2024年5月24日
ページ数
224ページ
読了目安
229分
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推薦者

自分に適した仕事の考え方
「キャリアアップ」を目指すという画一的な考え方ではなく、自分の強みを活かせる場所で働くことこそ、多様な社会において大事な考え方であると説く一冊。

自分の得意なことを活かせる場所探しこそが、成果を上げるために必要なことであるとし、著者自身のキャリアを例に挙げながら、どのようにキャリアを積めばいいのかが書かれています。
これからの仕事をどうするかを振り返る際にヒントとなる考え方が紹介されています。

キャリアは「アップ」ではなく「フィット」で考える

人材会社や転職エージェントなどの人材業界からの発信で目につくには、「キャリアアップ」という言葉である。そこには「キャリアはアップするものである」という不文律がある。

しかし、世に出ている「キャリアアップ」を前提にしたキャリアの話の多くは、基本的にはいわゆる「キャリア組」のように、順風満帆に人生を歩んでいる人たちの話がベースになっている。しかし、社会には常に上げ調子のキャリアを歩んでいる人ばかりではない。大手企業に入って出世したり、年収を上げたりすることだけがキャリアではない。どんなキャリアを歩みたいかは人それぞれである。

 

まず「キャリアはアップするものだ」という固定観念自体を捨てること。キャリアアップではなく「もう少し快適に働ける環境に行きたい」というように、転職や異動の理由は、人それぞれなはずである。その時々の自分に適うキャリアを歩んでいくことが、現代における適職のルールである。キャリアは、その人がその時々で自分に適している環境や場所、ポジションを選んで動いていくものと考えれば、アップもダウンもない。自分に適しているかどうか、「フィット」の感覚があるかどうかである。

 

キャリアフィット=強み×場所

無理を重ねて疲弊しないように、「得意である」ということは、キャリアの重要な軸である。無理なくできることから仕事を考えてみる。キャリアを考えてみる。これが、キャリアフィットのあり方である。

 

適職を考える「キャリアフィット」の考え方は、自分の「強み」をよく理解して、その「強み」を活かせる「場所」を探していく、ということに集約される。

自分の「強み」とは絶対的な価値ではなく、あくまでも周囲との比較によって決まる相対的な価値である。たとえ些細な強みであっても、その人がどんな場所・環境にいるかで、それが強く見えたり、弱く見えたりする。そのため、「強み」は「場所」と掛け合わせることで初めて意味を持つ。常に自分の「強み」を「場所」との掛け算で考えることが大切である。

 

「行きたい場所」よりも「結果を出せる場所」へ

多くの人が自分の強みばかり鍛えて伸ばすことに力を注ぐ割に、その強みを「どこ」で活かすのか、自分の強みが活きる「場所」について意識していない。人材のマーケットを含めて、自分の強みが活きる場所についてもきちんと把握する必要がある。

場所への認識を高めるための第一歩は、まず自分の強みを知ることと同時に、他者から自分がどう見られているのか、その見え方を同じように理解することである。他者からの評価が高い場所に行けば、自分の強みを活かすチャンスが多い。

 

場所を選ぶ時は、ただ「行きたい」「やりたい」という漠然としたイメージだけでなく、自分の強みが何かを理解し、かつその強みの適した場所なのか、そうではない場所なのか、もっと解像度を上げて、考える必要がある。

 

「カルチャーの合う場所」を選ぶ

場所の選び方は、その人が自分のキャリアに何を求めているかに応じて、何を優先するかは人それぞれである。自分に適した場所を選ぶ際に注意したいのが、その職場の「カルチャー」を見極めることである。たとえ自分に仕事をこなすスキルがあったとしても、その場所の「カルチャー」が自分の特定と合っていなければ、仕事もやりづらくなってしまう。

 

カルチャーは、転職においては就職前には分かりづらいかもしれない。そういう意味では、まずは転職よりも社内の異動を視野に入れて、自分が行きたい場所を考えるのも1つの選択肢である。

 

強み=スキル+能力+特性

自分に適した場所を見つけるためには、自分の「強み」が何なのか、きちんと理解していなければならない。強みについても、曖昧なまま放置するのではなく、解像度を上げて、より具体的に見ていく必要がある。

強みとは、次の3つに分かれる。

 

①スキル

経験を通じてできるようになったこと。経験があるだけでなく、自前でできることであり、どこに行っても再現できること。

 

②能力

経験をスキルに変えるために必要な力。能力の違いによって、自分が得意とするスキルも変わってくる。能力は大きく分けて「対人力」「対自分力」「対課題力」の3つからなる。

 

③特性

努力しなくてもできること。その人に備わっている特徴や傾向のようなもの。能力を支える土台となっているものが、その人の先天的な特質である特性である。性格的な要素が色濃く、無理に矯正するよりも、うまく付き合っていく方が合理的。

 

自分の強みを知る際には、他人からの評価もきちんと判断の材料にして考える必要がある。無理に弱みを改善することに労力を注ぐことよりも、いかに強みを活かすかを考える方が効率的で、成果を出しやすい。

 

 

参考文献・紹介書籍