日本人のメリットが活かせる職業で食える
グローバル化によって、人口70億人を要する世界経済のフラット化が進み、今後働く人々に大きな影響を与える。特に海外の安い人件費の人々に代替される職業に就いている人は、一刻も早く抜け出すべきである。
グローバル化によって影響を受ける者もいれば、無縁の者もいる。日本は国内市場が巨大で、今後30年以上は人口1億人を維持する。日本市場で日本人を相手にするビジネスニーズは、我々が生きている間は十分に高水準のまま推移する。
つまり、日本語圏での日本市場向けの仕事に就けて、かつ外国人よりも優位に立つことができれば、十分に食べていける。ある特定の職業においては、生え抜きの日本人というだけで、仕事上の絶対的な優位に立てるメリットが生じる。
一方で、日本人メリットを活かせない職業では、新興国の人たちとの不毛な消耗戦を強いられる。
日本人メリットの条件は次の通りである。
①独自カルチャー依存:お笑い芸人、漫画家、日本料理人
②チームワーク&サービス:旅館、ホテルなどのサービスマン、生産管理職
③信用&コミュニケーション:高額商品の営業マン、地域密着営業マン
④ハイレベルな日本語:弁護士、医者、記者、編集者
⑤国による参入規制:公務員
職業マップ
グローバル時代には、外国人との競争倍率が低い競争環境で働くことが重要である。職業は日本人メリットとスキルタイプに応じて4つに分類される。
①重力の世界(日本人メリットなし、ブルーカラー)
・グローバルの最低給与水準に収斂される
・平均賃金が日本の1/20のインド人、中国人との勝負
・無限大の人材供給
ex.プログラマー、メーカー開発者(汎用品)、コールセンタースタッフ、タクシードライバー、店舗店員、警備員
②無国籍ジャングル(日本人メリットなし、ホワイトカラー)
・世界70億人と仁義なき戦い
・超成果主義の世界
・勝ち残れれば青天井
・才能も運も必要
ex.CEO、メーカー基礎研究者、トレーダー、デザイナー、パイロット、会計士
③ジャパンプレミアム(日本人メリットあり、ブルーカラー)
・日本人ならではのサービスマインド、職人気質、チームワーク
・「同じ日本人」という信頼感を活用した対面サービス
ex.住宅営業、海外の対邦人営業、公務員、ホテルマン、日本料理人、美容師
④グローカル(日本人メリットあり、ホワイトカラー)
・日本人の強みを活かしつつ、高付加価値スキルで勝負
・日本市場向けの高度専門職
・高度な日本語、日本の人的ネットワーク
ex.医師、弁護士、グローバル営業、コンサルタント、システムエンジニア、税理士、記者
基本的にはグローカルへの進出がオススメである。