THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法

発刊
2023年11月20日
ページ数
384ページ
読了目安
481分
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イノベーションを生み出す発想法
成功したイノベーターたちの思考プロセスを紹介し、そのプロセスを優れたアイデアを生み出すためのフレームワークとしてまとめた一冊。

どのようにすれば優れたアイデアを生み出すことができるのかが理解でき、新しく有用なアイデアを生み出すための具体的な思考法を身につけることができます。起業のアイデアや社会課題解決のアイデア、新規事業の検討など、様々な場面で使えます。

発明とは見抜き、選択すること

あらゆる成功したイノベーター達が行ったのは「戦略的模倣」である。成功事例を学び、そこから有効な部分を抽出し、それらの新しい使い方を模索し、そしてそれらを組み合わせて、新しく役に立つものを生み出した。どんな人でも、無数の創造的な組み合わせ(選択肢)を生み出すことができる。しかし、価値ある新しい選択肢を生み出すには、優れた洞察力が必要だ。良い選択肢と、それを実現するための道筋を見抜くのは、並大抵のことではない。

 

イノベーションとは、「複雑な課題を解決するための、古いアイデアの新規かつ有用な組み合わせ」だ。目新しい組み合わせを考えることは、そう難しくない。難しいのは、目新しくかつ役に立つという、質の高い組み合わせを選ぶことだ。

 

イノベーションを生み出すプロセスの構造

イノベーションを生み出すプロセスは、課題を明確かつ具体的に定義することから始まる。次に、それを重要な部分に分解する。それから、各部分を解決する既存の方法を探索する。そして、それらの解決策を全体として調和して機能するように、新しい方法で組み合わせる。

 

成功したイノベーターは、パズルのピースを解決する手がかりを、業界の内側と外側という2つの場所で探した。つまり、箱の「中」と「外」という両方を考える必要がある。

 

Think Bigger の6つのステップ

あらゆる種類の複雑な問題を解決するために、新しい選択肢を生み出す手法を「Tink Bigger」(もっと大きく考える、大胆に発想する)と名づける。Think Biggerは、イノベーションのプロセスを6つのステップで再現する。

 

①課題を選ぶ

正しい課題を選び、それをしっかり理解することから始まる。そのためには、時間と的確な判断が必要だ。課題はいかようにも定義できるが、有用な解決策につながるような定義を選ぶ必要がある。

課題を紙に書き出すことで、実際に思考を生み出す。定義するメインの課題が、「選択マップ」に書く最初の要素になる。解決したい課題を1つ選んだら、それを「HOW?」の問いの形に書き換える。問いを決めたら、それが広すぎないか、狭すぎないかテストする。課題を階層で考え、上げ下げすることで、モチベーションが最大になるレベルを探す。

大きく考えるためには、小さく考えることから始めなくてはならない。Think Biggerの規模を拡大するコツは、まず1つの課題を解決することだ。

 

②課題を分解する

課題を分解することで、解決したい具体的な課題がはっきりする。どんな重要な課題も、複数の小さな課題(サブ課題)でできている。大きな課題を解決するためには、小さなサブ課題を特定し、解決する必要がある。このステップではサブ課題をたくさんリストアップしてから、5〜7個に絞り込む。

適切なサブ課題を選べたかどうかの判断基準は「サブ課題を一挙に解決するアイデアがあったら、既存の解決策よりかなり良いと言えるか」である。

 

③望みを比較する

解決策の要素を探し始める前に、一歩引いて課題を大局的に捉える。このステップでは、3つの重要な当事者を特定し、それぞれが解決策に何を望んでいるかを洗い出す。その当事者とは、解決策を考える「あなた」、解決策の「ターゲット」、解決策の実現を左右する「第三者」である。これら3つの集団の「望み」をリストアップして、比較対照する。あとのステップで、複数の解決策の中から最終的に1つを選択する際、この分析「全体像スコア」が判断基準となる。

 

④箱の中と外を探す

サブ課題に対して、既にある解決策を探して、リストアップしていく。様々な業界や分野、また過去の時代からも有効な解決策を集める。問題解決のカギを、身近な領域に捉われずに幅広く探すことが大切である。「過去に誰がこのサブ課題を解決しただろう?」と考える。

最終的な解決策の質は、マップに書き入れる先述の質によって決まる。だから選択マップの多様性を高めることを常に心がけることが大切である。

 

⑤選択マップ

試行錯誤を前面に出す。ピースを動かしたりひっくり返したりしている内に、ひらめきの瞬間が訪れ、パズル全体が見えてくる。パズルのピースをすべて並べ、色々な方法で組み合わせ、ぴったりはまる組み合わせが見つかるまで、それを繰り返す。

課題とそれを分解したサブ課題、領域内外の戦術が書かれた選択マップを見渡し、戦術をどう組み合わせるかを検討する。すべての組み合わせが同じくらい優れているわけではない。その優劣を「全体像スコア」で判断する。

 

⑥第三の眼

自分のアイデアを他人がどう「見る」のかを調べる。このステップでは、アイデアの質について、他人からフィードバックや評価を求めることではない。自分自身がアイデアをよりよく理解するために、他人がアイデアの中に何を「見る」のかを理解する。その理解をもとに、アイデアをさらに発展させ、本当に追求する価値があるアイデアかどうかを見極める。